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母性のスイッチが入る瞬間

2023年01月08日

2023年1月8日(日) 1065回

 <母性のスイッチが入る瞬間>

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 自分の目の前に子どもがいるという状況を当たり前だと思わないでほしいんです。自分が子どもを授かったこと、子どもが「ママ、大好き」と言ってまとわりついてくることは、奇跡と奇跡が重なり合ってそこに存在するのだと知ってほしいと思うんですね。そのことを知らせるために、私は死産をした一人のお母さんの話をするんです。
 そのお母さんは、出産予定日の前日に胎動がないというので来院されました。急いでエコーで調べたら、すでに赤ちゃんの心臓は止まっていました。胎内で亡くなった赤ちゃんは異物に変わります。早く出さないとお母さんの体に異常が起こってきます。でも、産んでも何の喜びもない赤ちゃんを産むのは大変なことなんです。

 普段なら私たち助産婦は、陣痛が5時間でも10時間でも、ずっと付き合ってお母さんの腰をさすって「頑張りぃ。元気な赤ちゃんに会えるから頑張りぃ」と励ましますが、死産をするお母さんにかける言葉はありません。赤ちゃんが元気に生まれてきた時の分娩室は賑やかですが、死産のときは本当に静かです。しーんとした中に、お母さんの泣く声だけが響くんです。そのお母さんは分娩室で胸に抱いた後、「一晩抱っこして寝ていいですか」と言いました。明日にはお葬式をしないといけない。せめて一晩だけでも抱っこしたいというのです。私たちは「いいですよ」と言って、赤ちゃんにきれいな服を着せて、お母さんの部屋に連れていきました。

 その日の夜、看護師が様子を見に行くと、お母さんは月明りに照らされてベットの上に座り、子どもを抱いていました。「大丈夫ですか」と声をかけると、「いまね、この子におっぱいをあげていたんですよ」と答えました。よく見ると、お母さんはじわっとこぼれてくるお乳を指ですくって、赤ちゃんの口元まで運んでいたのです。

 死産であっても、胎盤が外れた瞬間にホルモンの働きでお乳が出始めます。死産したお母さんの場合、お乳が張らないように薬を飲ませて止めますが、すぐには止まりません。そのお母さんも、赤ちゃんを抱いていたらじわっとお乳がにじんできたので、それを飲ませようとしたのです。飲ませてあげたかったんでしょうね。死産の子であっても、お母さんにとって子どもは宝ものなんです。生きている子ならなおさらです。一晩中泣きやまなかったりすると「ああ、うるさいな」と思うかもしれませんが、それこそ母親にとって最高の幸せなことなんですよ。

 母親学級でこういう話をすると、涙を流すお母さんがたくさんいます。でも、その涙は浄化の涙で、自分に授かった命を慈しもうという気持ちに変わります。「そんな辛い思いをしながら子どもを産む人がいるのなら私も頑張ろう」、「お乳を飲ませるのは幸せなことなんだな」と前向きになって、母性のスイッチが入るんですね。

 致知出版社:「一日一話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より引用

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 私は男ですから、母親の気持ちはわかりません。女房が子育てをしている時のことを振り返りますと、育児ノイローゼじゃなかったかと思いたくなるようなこともあったように思います。母親にとって子育てというのは、男の仕事以上に大変なことなんだと女房に言われたことがありますが、本当にそうだなぁと思いますし、子ども一人を育てる母の愛情は果てしなく広く大きく、母と子は、深い絆で結ばれているんだと思います。いざという時は、やっぱり「お母さん」ですものね。

 昨今、親殺し、子殺しと信じられない社会現象が日常になってきています。成熟していない人間が子どもをもってしまうと、悲しい事態になりかねないので、このような母性のスイッチが入るようなお話はとてもよい事ではないかと思います。

 私の母は7月で88歳の米寿です。昔は口うるさい母から逃げ回っていたことが嘘のように毎週、母に会いに行きます。今は母親孝行をすることが私の趣味と言えるくらい楽しみといいますか、喜びなんですね。毎週、母に会いに行き、母の説教を聞き、一緒に買い物に行ったり、畑の作業をしたりと母の手伝いをします。それに59歳になる息子をいつも心配して説教してくれます。この説教がとても心地よいのです。母が元気な証なんですね。帰る時には、「お母さん、ありがとう」と言って握手をして帰るんです。それで今日も母親孝行ができたことへの感謝の思いになるんです。とにかく毎週、母に会いに行くので、子供たちから、「また、おばあちゃんところに行くの!」と言ってきます。「そうだよ、母親孝行しにいくのさ!」と返します。私は女房に言います。「歳をとったら子供たちは、必ず母親孝行をしてくれるよ」、と言います。『子は親の心を実演する名優である』、という教えがありますから、そのように思えるのです。

 皆さんの親子関係はいかがでしょうか。どうか親子仲良くして欲しいです。親孝行をして不幸になった子どもを聞いたことはありません。親孝行は、プレゼントをするとか、孫の顔を見せるとか、いろいろあると思いますが、「こういう親孝行をしよう!」と決めて実践していただきたいです。それができた時、いずれ別れる時に後悔のない別れ方ができるように思います。自分の命のもとである両親に感謝をする。それが自分を大切にすることだと思います。

 

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