2016年5月4日(水) 595/1000
<徳って何?>
皆さんおはようございます。
致知5月号(致知出版社)
「孔子が求めた徳治政治」より抜粋 その1
こども論語塾講師 安岡定子氏
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孔子は人間の持つ徳の力によって社会が治まり平和になることを理想としてきました。上に立つ者が徳によって治めることを徳治政治と呼びます。
「子曰(しのたま)わく、政(まつりごと)を為(な)すに徳を以(もっ)てすれば、譬(たと)えば北辰(ほくしん)其(そ)の所に居(お)りて、衆星(しゅうせい)之に共(むか)うが如し」
これは「徳のある人が政治を行えば、美しく輝く北極星に多くの星々が向かってくるように、その人の徳を慕って皆が集まってくる」という意味です。
2500年前の夜空には満点の星空が広がっていたことでしょう、。その星空を眺めながら人生を語り合う孔子一門の様子を想像するだけで、悠久のロマンを感じます。
孔子はこの章句をとおして、徳のある人物の周りにはいつの間にかよき人物が集まってくる。力によってではなく徳によって自然と人々が導かれてくる。それこそが社会を治めるリーダーの最も理想的な姿だと教えているのです。
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「北極星に多くの星々が向かってくる」という言葉にロマンと理想的なリーダー像が見えてきます。その中心にいるはずのリーダーになっていかねばと思うわけですが、上手くいかないことが多く、人徳のなさに未熟さを感じています。
松下幸之助氏は、「人間として一番尊いものは徳である」とおっしゃっています。そして、 君が「徳が大事である。何とかして徳を高めたい」ということを考えれば、もうそのことが徳の道に入っていると言えます。「徳というものはこういうものだ。こんなふうにやりなさい」「なら、そうします」というようなものとは違う。もっとむずかしい複雑なものです。 自分で悟るしかない。その悟る過程としてこういう話をかわすことはいいわけです。
「お互い徳を高め合おう。しかし、徳ってどんなもんだろう」「さあ、どんなもんかな」というところから始まっていく。人間として一番尊いものは徳である。だから、徳を高めなくてはいかん、と。技術は教えることができるし、習うこともできる。けれども、徳は教えることも習うこともできない。自分で悟るしかない。『松下政経塾塾長講話録』
その解説書では、実力のある、徳をそなえた人に対しては、何か困ったことがあれば、一つあの人の意見をきいてみようということで、相談にくる人も少なくないと思います。これはつまり、困ったときに自然と相談にいきたくなる人が徳のある人である。
とありました。果たして私に相談したいという人がいるだろうか。と考えると己の徳のなさに打ちひしがれます。
徳とはいったいどういうものだろうか。人を思いやる心、正しい行いを貫こうとする行動だろうか。まだまだ先は長そうです。