2016年2月17日(水) 518/1000
<敵は己の心にある>
皆さんおはようございます。
発行:プレジデント社
著者:梅谷忠洋
「リーダーたる者の極意」より引用 その16
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孫氏は戦争の勝敗について、「孫氏の兵法」の中でいくつかの箇所で明快に述べています。その中でも、
「勝兵は先(ま)ず勝して、而(しか)るに戦いを求め、敗兵は先ず戦いて、而る後に勝を求む」
という節が随一ではないでしょか。
戦争に勝つということは、万全の準備をしてすでに戦が始まる前に勝利を決めておかなくてはいけない。つまり絶対に負けない段取りをするべきであり、一か八かで戦場に臨むならば、すでに負けているということです。
1905年5月27日、九州対馬沖において、東郷平八郎司令官率いる大日本帝国連合艦隊は、世界最強と謳(うた)われたロシア帝国のバルチック艦隊をコテンパンに撃滅して歴史的大勝利を収めました。
司馬遼太郎の有名な「坂の上の雲」の最終章の終わりに記されています。
「神様は日々鍛錬に努力し、戦う前にすでに戦勝を約束された者に勝利の栄冠を与えるけれども、一回の成功や勝利に満足して努力を怠る者からは、簡単にその栄冠を剥奪(はくだつ)してしまいますよ。だから昔の人は言ったでしょう。勝って兜の緒を締めて油断してはいけませんよと」
家康も「古人」を思い出して、兜の緒を締めさせたそうです。この古人とは、小田原の北条早雲の息子で二代目の北条氏綱のことです。氏綱の『五箇条の御用置き』という遺訓の一番最後に、
「手際のよい合戦をやって大勝利を得た後、驕り高ぶった心ができて、敵をあなどり、行儀が悪い行いをしてしまうことは必ずあるものだ。このようにして滅亡した家は昔から多い。勝って兜の緒を締めよ、ということを忘れてはならない。
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ビジネスで殺し合いの戦争というものはないが、生き残っていくという意味においては、戦いと言えるほどの気迫や心構えがなければ、あっと言う間に呑み込まれるか、一瞬のうちに消えてしまう。
お客様に喜んで頂ける商品やサービスを提供し、日々その質を上げる努力を怠らないこと。そして、未来を予測し会社の方向を変えていくことが欠かせないと考えるのです。
当社は、多くのお客様に支えられ自動車部品という仕事をさせて頂き、昨年60周年を迎えた。この有難いことに甘んじてはならないわけです。もしかすると敵は己自身の油断、甘さにあるのかも知れません。世の中がどのような状況になったとしても、対応できるような準備をすることが欠かせないのです。
昨年よりメタル便事業をスタートさせた。メタル便事業は、鉄の長尺物、異形物の小口混載輸送である。
メタル便北海道、メタル便関西、メタル便静岡、メタル便東海、メタル便北陸、メタル便関西、メタル便中国四国、メタル便九州の8拠点のネットワークがある巨大な組織となり急拡大しているのです。
この事業を成功させることが当社の成長には欠かせません。
これからが本当の戦いの始まりであり、常に敵は己の心にあることを戒めていきたいと思っています。