2019年8月3日(土) 1024回目
<報恩の精神>
致知2019年3号(致知出版社)
「すべては恩返しのために」より抜粋 その2
MTG社長 松下 剛氏
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中学校時代には既に「将来、愛知県に行って会社をつくる」と言っていましたし、高校生の時からいまの家内とは付き合っていまして、「会社をつくって食べられるようになったら結婚する」と17歳で決めたんです。
―――お若い頃から、目標を鮮明に描かれていたのですね。
なぜ愛知県だったのかと言うと、日本一の会社トヨタがあり、私の好きな戦国の三英傑がみんな愛知県だったからです。ですから、一回も東京や大阪に目移りしたことがないんです。
孝行を卒業し、最初に就職したのは自動車部品大手のデンソーでした。できればトヨタに入りたかったんですが、うちの高校には募集がありませんでした。
五島列島を旅立つ時、忘れもしないんですけど、家族や同級生、みんなが港に来て、冬の寒い海に飛び込んで見送ってくれたんです。その瞬間、「五島列島は命の恩人の島だ。それを絶対に忘れちゃいけない。いつか必ず五島列島にも貢献したい」と心に誓いました。
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故郷を旅立つ時、家族や同級生が冬の海に飛び込み見送ってくれたことは、忘れられない感動の出来事だったことでしょう。自分のことを応援してくれる人がいることは、心の支えに他なりません。
「人は人を通じて幸せを感じることができる」といいます。だからこそ、人の恩を心に刻み、人のために役に立つ人間になる努力をすることが、報恩の精神なんじゃないかと思うのです。