2020年3月29日(日) 1033回
<自分の花>
小さな修養論 より抜粋 その1
藤尾秀昭著
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昔、ある人にこういう話を聞いた。
オリンポスの神々が集まり、「幸せになる秘訣をどこに隠したら、人間がそれを見つけた時にもっとも感謝するか」を話し合った。「高い山の上がいい」「いや、深い海の底だ」「それよりも地中深く埋めるのがいい」と議論百出(ひゃくしゅつ)。すると、一人の神が「人間の心の奥深いところに隠すのが一番だ」と言い、全員がその意見に賛成した、という話である。
幸せの秘訣は人間の心の奥深くにある。自分の花を咲かせる秘訣は心の中にある。ということである。だが、心の奥深くに隠されているが故に、秘訣に気づかぬままに人生を終える人も少なくない。どうすればその秘訣に気づき、自分の花を咲かせることができるのか。
まず、自らの命に目覚めること。自分がここにいるのは両親がいたからであり、その両親にもそれぞれ両親があり、それが連綿と続いて、いま自分がここにいる。どこかで組み合わせが変わっていたら、あるいは、途絶えていたら、自分はここにいない。自分の命は自分のものではない。すべて与えられたものだ。その自覚こそ、自分の花を咲かせる土壌になる。
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自分の花とはいったい何であろうか。人間は生まれたからには、一人ひとり使命と役割が与えられていると考えたいのです。その方が生きがいがあります。でも自分の使命と役割とは何かと考えたことがあるだろうか、ということなのです。考えなければ、気づくことはありません。
日頃、愚痴や不平不満、文句や憤り、怒りや妬みで自分の心が支配されていれば、それに気づくことはありません。だから自分の心をできるだけ、きれいにすることが大切なのです。しかし、人間なので簡単ではありません。
自分の心をきれいにする努力の過程で、自分の命の本に気づいたとき、喜びと感謝の心が溢れてきます。その時、ご先祖様からの大切なメッセージが気づきとなって導かれていくものだと信じたいのです。
自分の花は心の中にあって、“気づき”がきっと花を咲かせられると思いたいのです。