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友だちは宝もの

2021年08月07日

2021年8月7日(土) 1053回

<友だちは宝もの>

福岡県南蔵院 林住職

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 この方の息子さんは、足が不自由でしたが、車椅子で小学校に通った六年の間、お父さんお母さんは一度として車椅子を押されたことがなかったそうです。近所の子供たちが当番を決めて、六年間ずっと送り迎えしてくれたそうです。
 そして、中学校に入るとき、一緒に普通の中学校に行けると思ったら、教育委員会から「お宅のお子さんは施設に入れてください」という指示が来たのです。そのとき、友達が猛反発しました。署名運動までして、中学校の校長先生を動かして、同じ中学校に通うことができました。

 三年間また当番を決めて友達が送り迎えをしてくれました。そして、この息子さんは体が弱いから欠席も多かったけれども、何とか卒業までこぎつけました。ところが、風邪をひいて、晴れの卒業式に出られなくなってしまいました。そのときに「お母さん、小学校を六年間、中学校を三年間支えてくれた友達に、僕、お礼が言いたい」と言って、朝、ベランダに出て卒業式に行く友達を見送りました。みんなが手を振って「おまえの分までがんばってくるからな」と言って、卒業式に生きました。

 お父さんが早く帰ってきて、家で親子三人にて卒業式祝いをする約束でした。昼ご飯どきにチャイムが鳴ったから、お母さんは、お父さんが早く帰ってきたと思って飛んで行かれた。そしたら、そこに立っておられたのは卒業証書を持った校長先生と各学年の先生方と友達でした。そして、校長先生が「今から、お宅のお子さんの部屋で卒業式をしたいんですが、よろしいでしょうか」とおっしゃいました。車椅子の息子さんとお母さんを前にして校長先生が卒業証書を読まれ、各学年の先生たちが「よくがんばったね」と握手してくれました。

 友達が拍手で祝福してくれたときには、息子さんはうつむいて涙をながしていました。

 「私たちは、先生や友達の顔をまともに見ることができませんでした。息子は三年間中学校で何を学んだかわかりませんが、優しさが人を素晴らしい人間に変えていくということを学んでくれたら、それだけで十分です。学校で習った勉強よりも、もっとすばらしいものをうちの子供は学んだ気がします」とその懸賞論文の中に書いておられました。

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 糸川英夫博士の言葉で「人生で最も大切なものは、逆境と良き友である」。この言葉を思い出します。私は若い頃、友達らしい友達はいませんでした。それを証拠に友だちの結婚式に出たこともないんです。自分勝手で、自分だけよければよいという寂しい人間だったんです。
 年齢を重ねるにつれて交友関係が減ってきますが、私の場合は、逆で年齢を重ねるにつれて、若い時の埋め合わせをするかのように友だち付き合いが広がっています。少しは、人間らしくなってきたのでしょうか。
 コロナ禍で人間関係がズタズタに切り裂かれ、人と会う事さえもままならない状況下におかれています。新型コロナウイルスの感染者が村八分にされ引越しを強要されたなどの話がありますが、信じられない出来事が起きております。このような有事の時に、その組織や人間の弱い所が浮き彫りになってきます。

 コロナは目に見えませんから怖いものです。でも、あまり過敏にならず、委縮しないで、しっかりと対策をとって堂々と行動することが大切です。こんな時だからこそ、人と会って話をしよう。このコロナ禍で壊れつつある人間関係を修復し、人への思いやりの心を取り戻していきたいものです。

 

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