2017年6月12日(月) 999/1000
<人財はいる>
皆さん、おはようございます。
僕は平成元年に㈱アイデックス(旧社名:入出運送㈱)に26歳で入社しました。その当時の日本経済は絶好調で右肩上がり。会社では日々現場の仕事に追われ、仕事が終わるのは午前0時を過ぎるのは日常茶飯事でした。バブルが崩壊しても、この地域は恵まれていて、それほど経済の落ち込みを感じさせないほどで、そのような生活が15年ほど続いたでしょうか。体もやせ細っていて、当時は、63キロくらいしかありませんでした。
父親に「あと5年で社長を交代する」と社員の前で告げられたのが40歳の頃。何も考えずに仕事をしていましたので、まだ遠い先のことだと思っていました。とにかく父親の存在が大きくて、僕には「社長は無理だなぁ」という恐怖心さえあり、とても臆病でまったく自信がもてませんでした。
専務に就任した翌年にリーマンショックがあって、40%の売上が落ち込み、
「どうなっちゃうんだろう!」と、滝底に落ちて行く業績に恐怖を感じました。
銀行から厳しい指摘を受けながら、再生の道を探り、「さぁこれからだ!」、という時に、追い打ちをかけるように東日本大震災が発生しました。日本経済は大きなダメージを受け、自動車業界も例外ではなく、毎日、社員の半分は休んでもらいました。その時は、自分の無能さを思い知り、真っ暗なトンネルに入ったような感じがしたんです。
この二度の苦難が今の僕をつくってくれたように思います。だから苦難はチャンスだと言われることが分かるような気がします。苦難の渦中にいる時は、そんな余裕なんて全くありませんが、振り返ればそのように思えるわけです。
いづれまた来るだろう次の苦難に遭遇した時、「これはチャンス!」だと思って「喝」を入れて前に進んでいきたいと思います。そのためにも、人、物、お金を貯えておく必要があります。
創業100年の歴史を刻んでいる会社は、幾多の苦難を乗り越えてきているわけですから、強い会社です。強い会社になるためには、「よい人財がいる」ということです。当社が100年を向かえる2055年までに38年ありますが、多くの会社が姿を消していく中で、生き残るためには、社会の変化に対応していかなければなりません。言うのは簡単ですが、やることは難しいわけです。だから、「よい人財」が必要になってきます。
中小零細企業には、「よい人財」がなかなか入ってくれないと思いがちですが、僕はみんな「よい人財」ではないかと思うのです。誰でもよい所、得意なことは一つや二つは必ずあるものです。当の本人でさえ気づいていないこともありますから、その機会を与え、強みを引き出して上げることが、人を生かしていくことではないかと考えるんです。
人を生かし、「働く喜び」、「経済的な喜び」を感じてもらうこと。
働く人が「アイデックスで働けてよかった!」と思ってもらえるような会社にしていきます。そのために、一日一日を大切にしていきたいと思っています。