2017年3月3日(金) 898/1000
<会社の使命>
皆さん、おはようございます。
致知2月号(致知出版社)
「熱と誠が経営の道を開く」対談 より抜粋 その2
ルミネ社長 新井良亮氏
良品計画前会長 松井忠三氏
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(新井)
一番きつかったのは、石炭を積んだ30トンの貨車を3~5人で積んだり下ろしたりすることで、炭台から蒸気機関車にスコップでひらすら石炭をかき上げたり、水を補給する。それを来る日も来る日もやり続けました。
(松井)
重労働ですね。
(新井)
もう本当にタフな仕事でした。で、ある時、「なんでこういうことをやるんですか。もっと機械を使ったらいいじゃないですか」と上司に不満を漏らしたことがあるんです。それに対して上司は、「こういう大変なことをやるから、将来があるんだぞ。大変なことをやらないで最初から楽をしていたらろくなことがない」と説き諭してくれました。この言葉はいまでも鮮明に覚えていますね。
若い時の苦労は買ってでもしろと言いますけど、確かにいまこの時期にこういう大変な経験をしていれば、大抵のことは乗り越えられるなと思い直したんです。
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経営の神様、松下幸之助さんは「苦労は買ってでもせよ」と仰っています。若い時にしかできない経験というものがあります。若い時に培われた経験は、努力や忍耐、知恵や工夫、なにもかもが血肉となって体に沁み込んでいくというものです。
とにかく若い時は仕事の時間の長さというものは、体も精神も鍛えていきます。現代はそのようにはいきません。ライフワークバランスと言われるように、仕事とプライベートの両立を求める時代になってきていますから、企業としても社会が求めるような労働環境にしていかなければ、よい会社とは言い難いのです。
それでも企業は人なりですから、社員の成長なくして企業の将来はありません。甘いことばかり言っていては人は育たず、会社がここ一番という時に力を発揮させることはできません。
だから若い人にどのような経験をさせてあげることができるだろうか、と考えることがとても重要になるわけです。
電通の鬼十訓が封印されたような難しい世の中になってきていますが、「人を育てる」という会社の使命は変わることはありません。