2017年6月9日(金) 996/1000
<長所と短所>
皆さん、おはようございます。
「道をひらく」 PHP研究所 より引用 その4
著者:松下幸之助氏
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この世の中は、持ちつ持たれつ、人と人との協同生活によって、仕事が成り立っている。暮らしが成り立っている。この協同生活を円滑に進めるためのは、いろいろの心くばりが必要だけれども、なかでも大事なことは、おたがいにまわりの人の長所と欠点とを、素直な心でよく理解しておくということである。
そしてその長所を、できるかぎり発揮させてあげるように、またその短所をできるかぎり補ってあげるように、暖かい心で最善の心くばりをするということである。
神様ではないのだから、全知全能を人間に求めるのは、愚の限りである。人に求めるほうも愚かなら、いささかのうぬぼれから心おごる姿も、また愚である。人を助けて己の仕事が成り立ち、また人に助けられて己の仕事が円滑に運んでいくのである。この理解と心くばりがなければ、百万人の人も単につのつき合わした烏合の衆にすぎないであろう。
長所と短所とーーーそれは人間のいわば宿命である。その宿命を繁栄に結びつけるもの貧困に結びつけるのも、つまりはおたがいの心くばり一つにかかっているのではなかろうか。******************************************************************************************
「あいつは、こういうところがダメだよなぁ」と言っている自分が、他人に言われている。世の中そういうものである。
他人との相性は、どうにもならなものがありますが、大方、人は欠点ばかりにフォーカスしてしまうという傾向があります。これは自省しなければならないわけです。
人には短所がある、でも長所もある。短所ばかりの人はいないし、長所ばかりの人もいない。短所も長所も同居しているということであります。生まれ持った天性、育った環境によって性格というものが形成されていくのだろうが、どんな人も長所があるのだから、短所は大目に見て、「あの人は、ここが強みだよね」という具合にいいところを見てあげたいと思うわけです。
仕事でも同じことが言えるのではないだろうか。その人の強みを見極め、活躍できる場所を探してあげることである。そのようにすれば、その人がイキイキと働き、光を放つことができる、輝くことができる。少々大げさかもしれないが、仕事を通じてその人の一生が決まるといってもいいのではないだろうか、と思えたりするわけです。だから、リーダーは、その人の長所は何か、強みは何か、という所を真剣に見てあげることで、その人を生かし、組織を強くしていくことだと考えています。
その人の短所は、他の人の長所にも成り得ますから、お互いに短所を補い、長所を伸ばしていくことが、会社繁栄の元であるように考えるのです。