2017年2月3日(金) 870/1000
<時流は何か>
皆さん、おはようございます。
修養のすすめ(致知出版社)より引用 その18
著者:北尾吉孝氏
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事業の持つ一つの大事な側面とは、単に利益だけを追求し役職員の儲けだけを考えるということではなく、その企業を取り巻くあらゆるステークホルダー(利害関係者)の利益を考慮せねばならないということです。ステークホルダーとは株主の皆様や従業員のみならず、お客様や取引先あるいは地域社会等々により構成されています。
例えばあの東電福島原発事故について見ても、企業の存続というのは、地域社会の恩恵を被ったり、逆に地域社会に大きな犠牲を強いることがあるわけです。
要するに経営者というのは、そうしたステークホルダー全ての利害調整を基本的には図っていかねばならず、その中で企業は私益と公益とのバランスを取りながら永続企業として存続していくべきものだと思います。従って、企業としての長期的な継続発展として存続を期するのであれば、やはりその製品やサービスが短期的に売れるといったことではなく、それらが「時流に乗る」ということが非常に大事であろうと思います。
長い年月に亘って時流に乗り、多くのお客様に便益を与え続けるということなくして企業は伸びていかないわけです。
企業というのは、真に徳業であり長期に亘り顧客に便益を与え続け、なおかつ企業の取り巻く様々なステークホルダーとの調和をなし、私益と公益のバランスを取っていかねばならない存在なのだと思います。
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企業というのは、単に利益を出すという単純なものではなく、お客様、社員、協力会社、株主、地域社会などなど、様々な方々と密にかかわっているということを考えると、自分だけ、自社だけという浅はかな考えでは、社会から追放されるということになっていくと考えるのです。
企業の利益というのは、会社を永続的に発展継続させていくための道具であるわけですから、そのことを十分に理解しなければならないと思うわけです。
今の事業というのは、将来にわたり存続できるかと言えば、そんな補償はいっさいありません。これほど科学が進んでいるわけですから、数十年先には、予測もつかない世界が待っているかもしれません。
トヨタの子会社で年商約4.5兆円、世界第2位の自動車部品メーカーであるデンソーが自動運転時代の到来に危機感を募らせているという記事は衝撃的した。それは2030年、完全自動運転によるカーシェアリングが実現すれば自動車の台数は今の200分の1で済む、というものでした。たとえ10分の1でも大変なことになっちゃいます。
自動車関連産業は雇用、経済の両面で日本を支える基幹産業でありますから、近未来において大きな変革が目の前に迫っていることを認識して、企業の方向づけをしていかなければならないわけです。呑気にしている場合じゃありませんね。だから、経営者は広い視野をもって学んでいかなければなりません。 「時流は何か」、これが最大のテーマであると考えるのです。