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生きるを考える

2016年12月10日

2016年12月10日(土) 815/1000

<生きるを考える>

 

 皆さんおはようございます。

 

 「二度とこない人生だから今日一日は笑顔でいよう」生きるための禅の心  その5

 PHP研究所

  臨済宗円覚寺派管長 横田南嶺氏

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 私が尊敬している老師の一人に盛永宗興(もりながそうこう)老師という方がいらっしゃいました。盛永老師からはさまざまな教えをいただきました。中でも忘れられない話があります。それはきれいな目をした一人の少年の話です。

 

 終戦間もない頃でした。学校の教室にいつも貧しい身なりをした少年がいました。つぎはぎだらけの衣服を着て、冬でも薄着のままで、いつも裸足で寒そうでしたが、目がものすごくきれいでした。そして自分が貧しいことを少しも恥じておらず、いつ見ても明るい表情をして、元気いっぱいだったというのです。

 学校の先生は不思議に思っていたのですが、ある日、家庭訪問をしてその謎がとけました。その子の家は今にも朽ち落ちそうな、どぶ板が並ぶところに玄関がありました。 壁もあちこちくずれかけていて、すきま風がぴゅーぴゅー吹き込んでいたそうです。その子は戦争で父を亡くし、お母さんと二人でそこに住んでいました。

 

 先生がそっと家の中をのぞくと、お母さんが子どもを呼ぶ声がします。「いらっしゃい。夕焼けがきれいよ。見てごらんなさい」。そして二人で並んで、仲良く窓から夕焼けを眺めていたというのです。

 

 先生はなぜその子がこうも明るく元気なのか、すべてがわかったと思いました。もし母親が自分たちの貧しい暮らしを嘆き、悲惨だ、哀れだと思っていらた、きっと子どもも暗くなっていたでしょう。

 でもこのお母さんは、周囲から見れば悲惨でかわいそうな自分たちの状況を決して悲観してはいませんでした。それどころか、夕焼けを見て「ああ、きれいだ」と感動する素晴らしい心を忘れなかったのです。だからこそ、こんなに目がきれいな、素敵な子どもが育ったのです。

 

 人間は自分にないものや足りないもの、なくしたものばかりに目を向けてしまいがちです。しかし世の中には失わないもの、なくならないものもあるのです。親の恩、家族の愛、優しくしてくれる人、人の絆・・・・・・。

 

 「そんなものは自分にはない」という人でも、生まれてからただの一度も誰からも優しくされたことがないという人はいないでしょう。あなたがここまで成長して、今生きているということは、助けてくれる人がいて、支えられてきたからこそ、ここにこうやっているわけです。それに大自然は誰にでも平等です。お日さまの光は当たるし、涼しい風は吹くし、鳥のさえずりや虫の声も聞こえます。この大自然はなくなることがありません。

 

 人はみなあまりあるものに恵まれて生きているのです。でも人は「あるもの」に気がつきません。「ないもの」ばかりを数え上げます。

 「ありがたさ」とは「有ること」の「難しさ」に気がつくことです。そして大切なものを失ったり、なくした時、「有ること」の「難しさ」、すなわち「ありがたさ」に気がつくのです。

 

 本当はある中でそれに気づけるのが一番いいことですが、人間の悲しい性で、なくすまでなかなか気がつけません。なくしてしまったから気づいたのでは遅いので、なくすような疑似体験をして「ありがたさ」に気づかせるのが、座禅や修行です。

 家族と離れ、何もない生活を体験することで、有ることのありがたさがわかって、大切にしようと思うのです。一般の方たちには坐禅や修行をする機会がないでしょうが、「あるものに気づこう」という心さえあれば、きっとありがたさがわかるのではないでしょうか。

  「ないもの」を嘆くのではなく、「あるもの」をありがたく思う心が人生を豊かに幸せにしてくれます。

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 一度手に入れた物は手離したくはありません。車も家もお金も、何もかもが執着の中で縛られている現実の中にいると、本当の幸せとはなんであるかということを見失ってしまっています。

 

 「愛されている」また、「愛する人がいる」ことは、日常生活の中で当たり前の中に埋もれてしまっている。これでは「あるもの」の有難さなんて気づく余地がありません。

 

 人間の本当の幸せって何なんでしょうか?

 

 それは大切な人を亡くしたときでしか分からないのでしょうか?

日常生活の中にいると人間であれば、大なり小なり不平不満はあるのが現実でしょう。でも、当たり前であることは、「本当は有難いことなんだ!」と思えることが、この先の生き方が大きく変わってくるように思えるんです。

 生きていくことは、有難さを思うこと、そして「どうやって生きるか」を考えることじゃないかと思えています。

 

 

 

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