2016年12月9日(金) 814/1000
<家族愛>
皆さんおはようございます。
「二度とこない人生だから今日一日は笑顔でいよう」生きるための禅の心 その4
PHP研究所
臨済宗円覚寺派管長 横田南嶺氏
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坂村真民先生の作品やゆかりの品々を常設している坂村真民記念館に先日参りましたら「家族の絆」という特別展が開かれていて、そこに真民先生一家が囲んだ飯台が展示されていました。とても小さな飯台でした。それを囲んで、一家で食べるささやかな食事の時間が、本当に幸せだったと、娘さんは語っています。真民先生にとっても、おそらく至福のひとときだったに違いありません。
温かいおつゆが匂っている
おいしくつかった沢あん漬けがある
子供たちはもう箸をならべている
ああ
飯台一つ買ったことが
こうも嬉しいのか
家族を愛する気持ちがあれば、自分と同じように人もどれだけ家族を大切にしているかわかります。その気持ちがわかると、おのずと人を大切にするようになります。自分がわが子を愛するように、あの人もわが子を大切に思っている。
自分にとってこの人が大事。あちらの人にとってはあの人が大事。だから人はみんな大切にしなければならない、と自然に思うようになるのです。
それが人に対する愛、世の中に対する愛へとつながり、平和を求める心になっていくのです。「平和」というと、何だか大それたすごいことに聞こえますが、原点は家族を愛する心です。
小さな飯台を囲んで、五人の家族がご飯とお味噌汁と沢あんの食事をしている。それが本当の平和です。平和とは何気ない日常を愛する、当たり前でささやかな心からスタートしているのです。
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もっとお金が欲しい、もっといいものが欲しい、もっと楽しみたい、もっと、もっと、と果てしなく欲しがる人生を歩んでいると思うと、本当の幸せの元を感じられなくなってしまっているように思えたりします。
家族がいつも一緒にいられることが、本当はとても幸せなことなんですよね。だから、日常で不平不満を思ったとしても、水のように流して今を幸せに思う気持ちを大切にしていかないとね。
我が家では、食事中にテレビをつけません。私が少し見る程度で、食事中にテレビをつけていると、「食事は会話を楽しむもんなんだよ!」と、女房に叱られます。
そんな習慣からでしょうか、我が家では女房も子供も家でテレビを見ません。変わった家族なんでしょうかねぇ!
そんな小さな幸せが、実はとっても安らぎで、子どもの一番の教育なんじゃないでしょうか。幸せの原点って家族愛なんですよね。