2016年10月29日(土) 773/1000
<自分が主役>
皆さんおはようございます。
致知11月号(致知出版社)
禅語に学ぶ 「主人公」より抜粋
鎌倉円覚寺管長 横田南嶺氏
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田中芳州老師の七回忌の法要が相国寺(しょうこくじ)の禅堂で行われて参列させていただいた。その折に、老師の語録をいただいた。拝見してみると、その中に「主人公」について実に分かりやすく説かれていて感銘を受けた。
「この身に地位、名誉、財産、学歴、男女なのに汚れのない『主人公』がいる。あなたにも、誰の中にも、その人の「主人公」がまぎれもなく住んでいる。彼が私が善いことをした時には、私の心の底から喜びを与えてくれる。彼が私が悪いことをした時には、私の心に動揺と反省を与えてくれる。
誰も観ていないと思っていても、いつもどこでも私の心と行動を観ている。周りの人々の言葉に惑わされず、心静かで確かな目を持って見つめている。
彼は選り好みをせず、全てを平等に扱い、自分を忘れて人々の幸福を心より願う。他人の喜びを妬まず我が喜びとして喜び、他人の苦しみ悲しみを我が苦として思い、常に穏やかな表情にて相手を思いやり、その言葉は心から愛情を込めて対話す。
彼は自分を偽らず、悲しい時には素直に涙し、嬉しい時には、心の底から喜び、怒るべき時には晴天の雷のごとく雷鳴の後は雲一つなく和(やわ)らいだ光を放つ。そういう『主人公』に出会えた時、人は歓喜し『悟りを得た』というのです。
私たちの本当の宝は、何者にも奪われないものです。だから私の宝はあなたの宝には、なり得ない。
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他人のやっていることを一方的に評価をするけど、それを自分に置き換え、「私だったら、こうする」、というものがなく、他人の発言、行動ばかりが目につき、自分という存在がないのです。振り返ると見覚えがあり、今もそのようなことがあるのではないだろうか。
それでは、何も成長はなく、何も変わりません。「よく今のままで十分だ!」という人がいます。そうではないと思うのです。
衣食住など、何の不自由もなく、当たり前に生活ができるということに感謝して、自分を成長させていくことが、とっても大切なことだと思うんです。
20歳、30歳、40歳、50歳と毎年、歳を重ねていく中で10歳の年齢を重ねていけば、10年の成長がなければ、単に歳をとっただけに過ぎず、無駄に時間を過ごし、命を無駄遣いしていると考えたほうが、何か行動を後押ししてくれると考えています。
「私はこうする!」という、常に自分を「主人公」として考えて行動することが、自分が変わり、周りを変えていくことになり、さらに運命さえも好転させていくと思いたいのです。他人を変えることは出来ません。まずは自分が主人公であり主役なのだと考えていこう。