2016年10月8日(土) 752/1000
<いい会社にせんといかん>
皆さんおはようございます。
致知10月号(致知出版社)
「春風や闘志いだきて丘に立つ」より抜粋
北川鉄工所社長 北川祐治氏
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私が社長に就任した2000年、工作機械メーカー・オークマ社長の柏淳郎さんが、
「僕も先輩にもらったんだけと、いい言葉だから君の贈るよ」と言って私に高浜虚子の句をプレゼントしてくださいました。
春風や 闘志いだきて 丘に立つ
何と爽やかさと力強さに溢れた句でしょうか。新社長として企業をこれまで以上に発展させようと、意気込んでいた時でしたから、とても心が振るい立ちました。
自分のいる足元だけでなく、一歩高い視点で事業を展望し、勇ましく前進してほしい。丘の上に立って誰が見ても恥ずかしくない信頼される経営者たれ。そういう思いを込めて、柏さんはこの句を贈ってくださったのだと思います。その後の経営者としての歩みの中で、私は幾度もこの言葉に救われてきました。
私は最近、「ニーバーの祈り」という一文を知り、大変感銘を受けました。
神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を与えたまえ
変えることのできないものについて、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものを識別する知恵を与えたまえ
トップに必要な心得がここに凝縮されているようにも思います。景気のよし悪しや時代の流れといった様々な環境を敏感に察知して変革しつつも、守るべき地域や社員はしっかりと守っていく。北川鉄工所はこれからもそういう会社でありたいと思っています。
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当たり前のことなんですが、最後は社長が決める。そんな重圧というか、責任を感じる時があります。救われるのは、相談できる部下や仲間がいるということです。これには本当に救われるんです。
元来、ビビリですから一人でなかなか決められませんので、いろいろ相談していますが、でも、やっぱり最後は、社長が決めなきゃ、と思っています。
丘の上に立って、遥か彼方の的に向かっていく。険しくて、この先、どうなっちゃうんだろうなって思う時があるんですが、進んでいくしかないんです。
そんな時、やっぱり自分を信じるしかないと思うんです。その土台にあるものは、
「みんなを幸せにしたい!」という思いです。なんだ、かっこ良すぎますが、そう思っています。そのためにも、いい会社にせんといかん、いい社員にせんといかん、ということなんです。
やっぱり、人づくりが会社として、もっとも核となるものだと考えています。