2017年5月28日(日) 984/1000
<先回り>
皆さん、おはようございます。
『DIME 2012№07』(幸せの哲学)小学館 より引用
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最近、海外の空港では、セキュリティチェックで靴を脱がせるところが多い。自分は潔癖症ではないのだが、アレがどうも気になる。だって、トイレから出た直後の人もいたりするのですよ。その靴をトレーに載せ、裸足でセキュリティーチェックを受ける。次の人は雑菌だらけのトレーにカバンを載せることになるし、靴下についた雑菌を持ち帰る人もいるだろう。
しかし、成田空港は違う。きちんとスリッパが用意され、靴用のトレーも準備されていた。自分が不快に思うことを、他人に味わってほしくない…、
ここに、日本人の「もてなしの心」の原点がある。
日本人のDNAに刻みこまれている「もてなす」という能力は本当に高いと思う。
以前、修善寺の有名な旅館で体験した話。
長い時間書きものをするために、デスクを用意してほしいと頼んだことがある。すると仲居さんは嫌な顔ひとつ見せず、畳の上に小さな絨毯を敷き、椅子とデスクをセットしてくれた。感動したのはその先である。僕がPCを使うことを見越して延長コードと電気スタンド、さらには広辞苑まで用意してくれたのだ。リクエストにただ応えるのではなく、どこまで先を推測できるかが、もてなしの質につながってくる。日本人は「もてなす」という才能に間違いなく秀でている。
これがこの国の立派な資源であることを、僕たちはもっと自覚すべきかもしれない。
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「おもてなし」って何かなあ、と考えると、気持ち良い接客をしたり、環境を整えたりというものだと思いますが、もう少し深堀りしてみれば、相手の行動を先読みして、”さりげなく”して差し上げる。
たとえ相手に気づかれないとしても、相手が「心地よい」ってことが大切なんじゃないかな。「また、ここに来たい、あなたに会いたい!」という感情が湧き上がってくる。おもてなしをする方もされる方も意識が通じ合えますよね。
「おもてなし」は、相手を気づかう心。別の言い方をすれば、「気づき力」と言えます。相手の行動を一つでも、二つでも先回りして、して差し上げるような行動ができれば、仕事も家庭もきっと上手くいきますよね。