2016年9月22日(木) 736/1000
<立命>
皆さんおはようございます。
「君子を目指せ小人になるな」(致知出版社)より引用 その19
著者:北尾吉孝氏
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自分で自分の「命」を立てていくこと、これを「立命」と呼びます。
人間は人として生まれた以上、自分のことを徹底的に究明し、究尽し、修練すれば、天から自分に与えられた本当の能力・性質といったものが見えてきます。その能力や性質をうまく開発していけば、誰でも大きな働きができるようになります。これを「立命の学」といい、東洋哲学の一番の大本にあたる部分です。
この「立命」をするためには、学問を修養しなくてはいけません。その学問も知育だけでなく徳育、人間学を勉強する必要があります。
「人間は学問修養しないと、宿命的存在、つまり動物的、機械的存在になってしまう。よく学問修養すると、自分で自分の運命を作っていくことができる」と安岡先生はおっしゃっています。
動物は宿命で終わっていますが、人間は学問修養することで自分の運命を切り開いていくことができる、つまり「立命」する存在なのです。したがって、自分の「命」を運命にするか、宿命にするか、それは学問修養次第ということになります。
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「宿命」は宿る命と書きますので、日本人に生まれたとか、男に生まれたとか、あるいは特別な才能まで、自分の力ではどうすることもできないもの、変えることのできないものを宿命といいます。
「運命」は運ぶ命と書きますので、つまり自分次第ということになります。毎日コツコツと努力したりして運命を変えること、つまり、軌道修正することです。
徳を得る、天命を知る。運命を切り開く。人間としてとても大切な要素ではないかなあ、と思います。そのために自分を知り、自分を磨くための勉強が必要なのではないだろうか。 経験も勿論大切です。その前提にある人間の土台の人間学を磨いていくことで、その人の輝き方が大きく変わってくると思うのです。
一人ひとりに強みや弱み、長所や短所、得手不得手があるものです。つまり、それは個性です。自分という人間を最大限に生かすためには、まずは素直に良い事も悪い事も、本当の自分を知るということ。その上に立って、自分の得意とする所に磨きをかけ、仕事に活かし貢献することができれば、これほどの喜びはありません。それが立命ということではないだろうか。