2016年9月17日(土) 731/1000
<礼>
皆さんおはようございます。
「君子を目指せ小人になるな」(致知出版社)より引用 その14
著者:北尾吉孝氏
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造化は集団となって社会を形成する人々が楽しく円満に日々を送るために正しい秩序を立てることの必要性を示しました。その基準となるのが「礼」です。
「礼」とは集団たる全体と、全体を構成する部分、あるいは部分同士との間にある「秩序」「調和」を保つ働きを言うのです。
顔淵(がんえん)、仁を問う。子曰わく、己(おのれ)に克(か)ちて礼に復(かえ)るを仁と為す。一日己を克ち礼に復(かえ)れば、天下仁に帰(き)す。仁を為すは己に由(よ)る。而(しか)して人に由らん。顔淵曰わく、請(こ)う、其の目(もく)を問わん。子曰わく、礼に非(あら)ざれば視ること勿(な)かれ、礼に非ざれば聴くこと勿れ、礼に非ざれば言うこと勿れ、礼に非ざれば動くこと勿れ。顔淵曰わく、回(かい)、不敏(ふびん)なりと雖(いえど)も、請う、斯(そ)の語を事(こと)せん。:論語
これは次のような意味になります。
「顔淵が仁の意義を尋ねた。孔子は答えた。『私利私欲に打ち勝って、社会の秩序と調和を保つ礼に立ち戻るのが仁である。たとえ一日でも、己に克って礼に復れば、天下の人も自ら仁になっていく。その仁を行うのは、自らの意志によるべきである』
さらに顔淵が仁の実践についての方法を尋ねた。孔子は答えた。
『礼に外れたことは見ないように、礼に外れたことは聴かないように、礼に外れたことは言わないように、礼に外れたことは行わないようにすることだ』と」
つまり、心の世界における「仁」に対して、外に表れる形が「礼」なのです。だから本質的には、「仁」も「礼」も同じことです。それが心の中にあるか、外に表れるかで「仁」と「礼」という区別がなされているわけです。
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組織の力を最大限に発揮していくためには、チームワークの力が不可欠です。だから組織の秩序や調和を保つためにルールがあるわけです。しかし、ルールがなくても、一人ひとりが相手を尊重し思いやりの心があれば、その組織の秩序や調和が保たれ強いものとなっていきます。
自分だけの「得」を主張し、相手や組織のことを考えない者がいるとすれば、組織の力を十分に発揮できなくなるのは言うまでもありません。しかし、どんな組織においても、そのような人は大なり小なりいるものです。だから、志を高く持って、同志と共に信じて歩んでいくしかないのです。
日々、相手に対する敬意を心がけて行動し、自分の周囲にいる人々と真心や思いやりを互いに感じる事が出来るようになる組織にしたいと思うのです。人を責めず、全ての源は、自分自身にあると考えていこう。それでも、自分の感情についつい支配されてしまう弱い自分がいるのです。