2016年9月16日(金) 730/1000
<憎むことがあるか>
皆さんおはようございます。
「君子を目指せ小人になるな」(致知出版社)より引用 その13
著者:北尾吉孝氏
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「子貢問うて曰わく、君子も亦悪(にく)むこと有るや。子曰わく、悪むこと有り。人の悪を称する者を悪む。下流に居て上を(そし)る者を悪む。勇にして礼無き者を悪む。果敢にして塞(ふさ)がる者を悪む。曰わく、賜(し)も亦悪むこと有るや。徼(かす)めて以って知と為す者を悪む。不遜(ふそん)にして以て勇と為す者を悪む。訐(あば)きて以て直と為す者を悪む」:論語
これは次の意味になります。
「子貢が『君子にも憎むことがありますか』と尋ねた。孔子はこれに対して、『友人の短所・欠点を世間に言いふらす者。自分が勤めているその勤め先の上司の悪口を言いふらす者。無鉄砲で勇気があるように見えているが、自分の立場や礼節をわきまえていない者。事を行う際に、決断が早いのはよいが、事の条理を知らないで、行動してしまう軽挙妄動の者を憎む』と答えられた。
ついでに孔子が子貢に対して、『お前も憎むことがあるのかね』と聞いた。子貢は、『私は他人の成果を盗んで聡明だと思っている者、礼儀を知らずの傲慢でありながら、それを勇気だと思う者、他人の秘密を暴露して自分は正直だと思っている者を憎みます』と答えた」
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孔子という立派な方でも憎むという表現をされている。孔子のおっしゃっている憎むとは、日常茶飯事に起きている出来事であるように思うのです。我々は、自分の行動を見つめ、反省していかなくては、憎まれるという対象になり、いわゆる人の道から外れていくということになると戒めなければならないように思えています。
体は大人であっても、全うな大人ではなく人間的魅力に欠けると言えるのです。しかし身に覚えのある行動なので、慎まなければならないと深く反省をするのです。
憎むとはなんだか恐ろしさも感じますが、それだけ孔子は自分に厳しかったのだと思います。
自分を守るために相手を欺き、陥れるという闇の世界に支配されてはなりません。
その支配される闇の第一歩が、悪口でしょう。正々堂々と相手に言えば、悪口ではなく意見となっていくと思うのです。