2016年9月8日(木) 722/1000
<天に任せる>
皆さんおはようございます。
「君子を目指せ小人になるな」(致知出版社)より引用 その5
著者:北尾吉孝氏
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私が中国古典から影響を受けた二つ目は、「任天」「任運」という考えです。、これは「天に任せる」「運に任せる」ということですが、私は今までずっとそういう考え方をしてきました。何かうまくいかないことがあっても、「これは天が判断していることだから、くよくよすることはない」と考えるのです。
ただし、何も努力しないで天に任せてもうまくはいきません。あくまでも自分のやるべきことを精一杯やったうえで、あとは天に任せる、運に任せるという考え方です。
「死生命(しせいめい)有り、富貴(ふうき)天に在り」
という言葉が『論語』顔淵(がんえん)十二にあります。
生きるか死ぬか、これは天の命である。金持ちになるか、貴い人になるかも天の配剤。だから、すべて天に任せて精一杯の人事を尽くす。それが成功すれば感謝し、仮に思うような結果が得られなくても「それは失敗ではない。そのほうがむしろよかったのだ」と考えればいいのです。天がそれでいいと判断してもたらされた結果だと思えば納得でき、余計なストレスが溜まることもありません。
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今、自分に降りかかっている問題や課題、あるいは苦難というのは、自分のとって必要であるから起きている、ということである。言葉では解っていても、なかなか現実の苦しみに直面すると、そのように思うことは難しいものです。
現実を捉えてみると、「精一杯やったか!」、という自分への問いである。やり尽くしたのであれば、後は運を天に任せるという思いに至るが、日頃の努力不足を棚に上げて、よい結果だけを求めるとすれば、虫がよすぎるというものである。
上手くいかないことがあるから、別の方法を考える。失敗をするから経験を得られる。ということは、全ての現象は、自分のためにあると考えた方が前に向いていける。
その前提として、「自責で捉え、怠けず、一所懸命に取り組む」という姿勢があってこそ、結果を「天に任せる」という境地に至るのでしょう。