2016年8月29日(月) 712/1000
<会社はいつか潰れる>
皆さんおはようございます。
致知9月号(致知出版社)より抜粋 その4
「いい会社をつくる原点」
志ネットワーク「青年塾」代表 上甲 晃氏
伊那食品工業社長 井上 修氏
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(上甲)
社長就任時は葛藤もおありだったそうですが、当時の心境はいかがでしたか。
(井上)
現会長から「社長をやってくれ」という話があった時は、私は自分に問うたんですよ、。「おまえは日本一目立たない社長になるぞ。我慢できるか」って。
(上甲)
ああ、あるほど。
(井上)
当社を一から十まですべて創り上げてきたビックネームですから、私が社長職にあっても当然のことながら、すべて会長のほうに行きますね。
その問い掛けをした時に、我慢できると思ったのは、天の声を聞いたからなんです。
というのも、うちの父親が会長職を退任する時、私に言ったのが「潰(つぶ)してくれちゃ困るでな」というひと言でした。その言葉が天の声のように甦(よみがえ)ってきたわけですよ。で、会社を潰さないことが社長としての最大の使命だとすれば、自分が目立とうが、目立つまいが関係ない。そんなことは二の次だと、ストンと腹に落ちたんです。
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私の尊敬する人で既に亡くなられた方ですが、会社の一番の罪悪は、「会社を潰すことだ」と教えてくださいました。
当社も170名の社員がいます。家族4名として680名の生活の基盤を支えているという責任の重さを感じなければ社長は務まりません。
会社というのは、他人がいくら潰してやろうともしても、そう簡単に潰れるものではなく、必ず内部から崩壊していくものである。と教えてもらいました。だから、組織を強くしていくためには、人を大切にするということ、時に厳しいことを言わなければ、組織を強くしていくことはできないと考えています。
100年続く会社は、なかなかありません。つまり、会社は潰れるということです。潰さないために、限りなく延命していくためにやるべきことは、世の中の変化に順応し、自らの手で未来を創っていくしかないわけです。
当社は設立61年。100年まで39年ありますが、次の世代にしっかりとバトンを渡せるように、強い組織を創っていきたいと思います。