2016年7月15日(金) 667/1000
<自得>
皆さんおはようございます。
なんのために働くのか」(致知出版社)より抜粋 その5
著者:北尾吉孝氏
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あらゆる行動の前提に、この自得の問題があります。自分のことをがわからなければ、人生いかに生きるべきかなどはわかりません。己を知らない人が、どうして自らの将来を意識して変えることができるのでしょうか。いくら周囲が「変えなければいけないよ」とアドバイスをしたところで、それは無理な話です。
安岡正篤先生は、自得についてこう言っておられます。
「人間は自得から出発しなければいけない。人間はいろんなものを失うが、何が一番失いやすいかといいますと、自己である。根本的本質的に言えば、人間はまず自己を得なければいけない。人間はまず根本的に自己を徹見する。これがあらゆる哲学、宗教、道徳の根本問題である」
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自得とは、「自分の力で悟ること。自分自身で理解し、会得すること。」と辞書にはあります。一人ひとりには課題や苦難が容赦なしにやってきて、そのたびにもがき苦しみ、うろたえるわけです。その時、「今、自分が置かれている状態は何であるのか」、「この苦難をつくっているのは己自身ではないのか」という冷静に自己を問いただしていかなければ、解決策は生まれてこないのではないだろうか。
多くの場合、たとえ自分に原因があるとしても、それを認めたくありません。ややもすると、後付けで自分を正当化し、自分の醜い心に蓋をして、自分でも気づくことができないようにしてしまいます。だからこそ、その重い蓋を開いて己の醜さと向き合い、己を知ることが活路を開くことではないかと考えるのです。
結局、自分を知り、自分で気づかなければ、何も変えることはできないということでしょう。