2016年6月21日(火) 643/1000
<人間万事塞翁が馬(ばんじさいおうがうま)>
皆さんおはようございます。
致知7月号(致知出版社)より抜粋 その3
「上善水のごとし」
国立研究開発法人
科学技術振興機構理事長 濱口道成氏
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『老子』は、私たちが真実だと信じ込んでいる考え方や視点に対し、全く異なった見方を示してくれます。真実だと思い込んでいる世界は、実は虚の世界なのかもしれない。
人生とは、「万事塞翁が馬(ばんじさいおうがうま)」です。
失敗と思ったことが幸いをもたらし、成功が苦難を生む。善意が苦労をもたらし、悪人と呼ばれる人も実は純情なのが「この世」です。『老子』の教えに従えば、 我われのストレスは虚構にすぎないかもしれません。
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「人間万事塞翁が馬」のことわざの意味を調べてみました。
昔、中国北方の塞(とりで)近くに住む占いの巧みな老人(塞翁)の馬が、胡(こ)の地方に逃げ、人々が気の毒がると、老人は「そのうちに福が来る」と言った。
やがて、その馬は胡の駿馬を連れて戻ってきた。人々が祝うと、今度は「これは不幸の元になるだろう」と言った。
すると胡の馬に乗った老人の息子は、落馬して足の骨を折ってしまった。人々がそれを見舞うと、老人は「これが幸福の基になるだろう」と言った。
一年後、胡軍が攻め込んできて戦争となり若者たちはほとんどが戦死した。
しかし足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済んだという故事に基づく。単に「塞翁が馬」ともいう。「人間」は「じんかん」とも読む。
このことわざのとおり、人生というものは何によって幸不幸につながるかわかりませんよね。よい時にでも傲慢にならず、謙虚に、思いやりを忘れず、努力をすること。悪い時でも腐らず、挫けず、諦めず、そんな思いに至るわけです。