2016年6月16日(木) 638/1000
<仮装した祝福>
皆さんおはようございます。
致知7月号(致知出版社)
「腹中書ありて人生の万変に処してきた」対談
統合幕僚長 河野克俊氏、上智大学名誉教授 渡部昇一氏
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(渡部)
英語のことわざに「a blessing in disguise」という言葉があるんです。
これは、「仮装した祝福」という意味で、一見不幸のような恰好をしているけど、本当は天の恩恵であると。これは真理ですね。
私も若い頃は貧乏だったんですけど、貧乏だったおかげで特待生になるために毎朝5時に起きて、水を被って勉強してね。学年1番になり、大学の授業を免除されたばかりか、ドイツ留学までできたわけです。
だから振り返ってみると、つくづく祝福は仮装して降りかかってくるという感じがします。そして、そこで大事なのは、どんな時でも一つひとつ地道に努力を積み重ねること。そうすれば、天から梯子(はしご)が下りてくるんです。
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万人幸福の栞に「苦難は幸福の門」という言葉があります。渡部氏がいう「仮装した祝福」と同じ意味でしょう。自分にとって辛いこと、苦しいという苦難は、当事者からすれば耐えられない苦痛で、場合によっては他に怒りや憎しみという感情が湧き上がったりします。しかし、その人がレベルアップするために天から与えられた幸福の仮装した苦難であり、それを乗り越えることで、天から幸福という祝福の梯子が下りてくるというのです。
致知を読んでいると、そのような体験をされ現在を逞しく生きている多くの方々がいます。そのような話を読むたびに勇気が湧き上がってきます。
天はその人が乗り越えることができるような苦難を選び与えてくれるといいます。だからこそ、挫けず、腐らず、目の前に出現した苦難を素直に受け止めていくことが大切なのでしょう。苦難の渦中にいる時は、辛いことに覆われて、これは「幸せの入り口なんだ」なんて思える余裕はもつことは難しいでしょう。でも、その時が来たら、「来たなぁ!」と余裕を持って受けたいものです。できれば、来て欲しくないですが。。。