2016年6月14日(火) 636/1000
<省く>
皆さんおはようございます。
致知7月号(致知出版社)より引用
「吾日に吾が身を三省す」
論語普及学監 伊與田 覺氏
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『論語』に「曽子曰く、吾日に吾が身を三省す」
(そうしいわく、われひにわがみをさんせいす)という言葉があります。
孔子の弟子の曽子が、私は毎日自分を三省、つまり度々省みているというわけです。
「省」というのは振り返って反省するというだけでは十分ではなく、よいところは残し、悪いとことは省いていくことが大切です、 ただ省みるだけで省くという行動がなければ、50点にしか達しません。役所に「省」の字がついているのも、省くという意味合いが込められており、社会の発展に従い物事が複雑になっていくのを省いていくのが本来の大きな役割です。
一度決まったことや昔からあるもを、変えたり、なくしたりするのは容易ではありませんが、役所も会社も、そして個人も、常に省くということを忘れてはなりません。
この「省」という字は、人生で最も重要なことを表す言葉なのです。
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会社には様々な仕事があり常に変化しています。そのたびに新たな仕事が生まれてきます。そうなると知らぬ間に仕事が膨張し、その仕事の存在意義が失われているにも関わらず、決められていることをただやっているという形骸化された仕事が多くなってくるのではないだろうか。
身近な例で言えば、事務作業で同じような仕事を別な人がやっていることは往々にしてあるものです。
無駄なことをとことん省いていくことで本当に必要なものが見えてくる。これが出来そうでなかなかできない。身近な言葉で言えば5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の第一ステップの「いらないものは捨てる」ということ。
期限切れの物、長年使っていない物などが大事な仕事の効率を悪くしています。そして、蛇足ですが見栄や言い訳も捨てるものでしょうね。
「省く」はもう一つ、「振り返る」という意味があります。
一日を反省して明日の行動につなげなければ、同じ過ちを繰り返してしまいます。しかし、自分の過ちを認めるということは、苦しいことでもあるかもしれません。
「今日の自分は、生意気でなかったか」、
「今日の自分は、素直であったか」、
「今日の自分の言葉使いはよかったか」、
「今日一日、精一杯仕事をしたか」、
などと素直に自分を振り返ることが大切なのでしょう。その繰り返しの中で成長していくのです。自らを省みず反省しない人は絶対に成長しません。
100歳になる伊與田先生の人生で最も大事なことは「省」ということに重みを感じずには居られません。