2017年10月8日(土) 1006回目
<経営の原点>
致知11月号(致知出版社)
「礼節を知り栄辱を知ることの難しさ」 より抜粋
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私がこの三十年来、とりわけ強い関心を抱いてきた東洋古典の一つが『管子(かんし』です。『管子』は、中国の春秋時代に栄えた斉(せい)の国の宰相・管仲(かんちゅう)の言行を記した書物です。
管仲はいまから二千二百年~二千五百年前の、孔子よりもさらに百五十年~百八十年ほど前の人で、主君である桓公(かんこう)を補佐し、一介の諸侯にすぎなかった斉を一大強国に至らしめた名宰相です。
管仲は、一国の支配者たるものは、まず四季を通じて生産計画を円滑に進ませ、経済を豊かにさせるように配慮しなければならないと説きました。物資が豊富な国には、どんなに遠くからでも人民は集まってくる。政治は人民の支持があって初めて成り立つものであり、人民に手厚い豊かな社会を築くことこそが、人心を掌握し、国に道徳をもらたす基盤ができると考えたのです。
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この文言を会社に当てはめて見ると、
「会社の経営者たるものは、会社の経営方針計画に基づき、計画を円滑に進ませ、お客様の利益に貢献し、会社に利益を生むための努力を惜しんではならない。高収益企業で且つ社員の待遇がよい会社には、この人材不足の環境下においても人は集まってくる。会社は、社員の支持があってこそ成り立つものであり、社員の給与、福利厚生など手厚い職場環境を築くことこそが、社員の心を掌握し、会社に規律や道徳をもたらすことができる。」
実に心に響く言葉であると共に、目指す会社の姿です。今だ、働く社員の皆さんには、満足と言える状態とは到底思いませんが、働く人が笑顔になれるように努力していきます。