2017年5月14日(日) 970/1000
<笑顔で生きよう!>
皆さん、おはようございます。
「みんなが味方になる すごい秘密」 KADOKAWA その5 最終回
著者:小林正観氏
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合宿を行っているときに、そこに来たある女性から相談を受けました。
夫が気性の荒い人で、20年間、子どもや自分に対して怒鳴り続けてきた。怒られ続けてきた息子は引きこもりになってしまい、何年も部屋から出てこない。家庭が暗く、まったく笑顔がなく、本当につらい日々を送っている、なんとかならないでしょうか、という相談でした。
私はその女性に質問しました。
「あなたの顔を見ていても、全然、明るさがないです。合宿中、一度も笑いませんでしたね。どうしてでしょう?」
「結婚してから数十年、夫に怒鳴られ続けて、家庭内がけんかばかりで、子どもは縮こまってしまうし、そんな子どもを見て、私もつらくて仕方がありません。苦しいことばかりで、笑顔にはとてもなりません。
「家の中が暗いというのは、3人家族で100%だとすると、1人がその33.3%ということになりますね。
「はい」
「では、夫のことも子どものことも忘れて、あなたの人生だけを考えるようにしてください。怒鳴っている人も、引きこもっている人も無視してください。そして、あなたは笑顔になって明るくしてください。そうすると、家の中が33.3%笑顔になり、明るくなります」
その人は、夫はこうで、子どもがどうでと、苦しそうに言い続けていました。
それから数か月たって、また同じ質問をされました。私は、「一番暗いのはあなたではないですか? 夫と子どものことは忘れて、あなただけ笑顔で明るくいてください」と改めて伝えました。
それから数ケ月後に、またその女性が合宿にやってきました。すると、ニコニコした顔になっていたのです。ほかの人も「どうしたの?」と変化に驚いていました。前回までは、無表情で辛そうな顔をしていたのに、何があったのですかとみんなが尋ねました。
「数カ月間、正観さんに言われたことが理解できませんでしたが、もう数十年苦しんできたので、ある日、夫のことも子どものことも考えるのをやめることにしてみました」
それから、彼女は社交ダンスに通うようにしました。すると、息子さんが食事の支度をしているときに「お母さん、どうしてそんなに楽しそうにしているの?」と聞いてきたのです。
「私はお父さんにもあなたにも関心がなくなったの」
そして、社交ダンスをやりはじめて、楽しくて楽しくてしょうがない。あなたは部屋に引きこもっていていい。お母さんはダンスをする、と言えたのだそうです。そしたら、息子さんが「僕も行く」と言い出したそうなのです。
今では、息子さんもダンスに通うようになり、66.6%、家の中が明るくなったということです。夫と息子を変えようとしたときは、数十年かけても笑顔になることはなく、家は100%暗かった。要するに、他人を変えようとしても無駄だったということです。
自分の価値観で、これが正しい生き方だと他人の生き方を断じるのはやめてみる。
自分の思いどおりになってほしいと思わないことです。そうすると、心の苦しみが減ってくる。辛いとか、苦しいとか言って他人を批判している人には、誰も近づいてこないし、真似したいとも思わないでしょう。それよりも、自分がどう生きるかだけに目を向けてみる。そして、毎日を楽しく過ごしてみることです。そうすると、周囲の人はそんな人を見ると気になって、自分も楽しい
ことをしたいと思うようになります。
夫が怒鳴ろうが、子どもが引きこもろうが、ニコニコ淡々、です。
これを続けるコツは、「私は向上する」とか「人格を磨くぞ」なんて考えないことです。なぜかというと、「不平不満」「愚痴」「泣き言」「悪口」「文句」を言わないで、起きてくる現象を「私」がいかに笑顔でとらえられるか、という訓練だからです。
目の前にある現象は嫌なものではなくて、実は、うれしさ、楽しさ、幸せが合いまみれているものだと見抜く訓練なのです。
「不幸や悲劇は存在しない。そう思う心があるだけだ」と言ったのは、フランスの思想家ですが、私は「幸福という現象も実は存在していない。そう思う心があるだけ」というのもプラスして言い続けてきました。
ただ、次から次へとやってくる現象に対して、どんなことがやってきても愚痴を言わない。泣き言を言わない。それを笑顔で受け止めて、「あーこれが私の人生なんだもんね」と思って、笑顔で生きていくことが人生のテーマであるようです。
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なんだか、とても考えさせられる内容でした。自分でさえもまともに変えることができないわけですから、他人を変えることは到底出来る由もありませんね。まずは、自分と向き合うこと。小林さんのいうとおり、愚痴を言わず、目の前のある現象というのは、よい事も悪い事も合いまみれているということを分かること。それを笑顔で受け止めることこそが、人生を楽しむ秘訣であるように思えてきました。まずは、実践です。