2017年5月13日(土) 969/1000
<評価、評論しない>
皆さん、おはようございます。
「みんなが味方になる すごい秘密」 KADOKAWA その4
著者:小林正観氏
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若い頃、旅行作家というのが私の本職でした。本来、講演は私の仕事ではありません。ただ、日没までは旅行作家としての仕事はありますけど、日が沈んでしまうと私の仕事は終わってしまうので夜は暇です。ということで、頼まれて講演をするようになりました。
なぜ旅行作家の自分が講演をするようになったのかというと、基本的には自分は話をしたいからではなくて、頼まれたからです。
「好きでやっているのではないですか?」
はい、好きでやっているわけではありません。でも嫌々来ているのでもありません。
「では好きで来ているのですか?」
いいえ、好きできているわけではありません。
「嫌々やっているのですね」
いいえ、嫌々やっているのではありません。
では、どちらなのですか。はっきりしてくださいと言われるのですが、嫌々やっているのでもなく、好きでやっているのでもなく、だた淡々とやっているのです。
みなさんは、人生の中で好きなのか、嫌いなのか、はっきりするようにと言われて育ってきたと思いますが、実は人生には第3の選択というのがあります。それは、自分の人生について評価・評論をしないという生き方です。
いいとか悪いとか、論じない。
淡々と生きるということです。
そこの感覚を身につけたらすごく楽になります。好きでやっているのではないし、嫌々でやっているのでもない。ただ、自分の人生について評価・評論をしない。いいとか悪いとか、好きだの嫌いだの、これが気に入ったとか気に入らないとか、好ましいとか、好ましくないとか、そういうことを一切評価するのをやめてみましょう。
これは、相手がいる場合もそうです。
いちいち、反論しないことです。
基本的に首を縦に振ると免疫系が強化され、首を横に振ると免疫が弱くなるようです。だから、肯定的な人生を送る人は病気をしにくい。否定的な人生を送っている人、つまり首を横に振っている人は病気をしやすいのです。人間の体はものすごく面白くできているのです。
夫婦げんかをしているときには妻に向かって、「あなたの言うことは絶対に容認することはできない」と言って、首を縦に振りましょう。でも、相手の夫は全然迫力を感じないでしょうけど。「そうは言うけどなお前な」と言って、その夫のほうも首を縦に振ります。二人で縦に首を振っていると、全然けんかをしているように見えないので、そうすると、夫婦げんかをしているのを見て、娘がこう言う。「ばっかみたい」(笑)
そうすると、だんだん仲よくなっていって、とても居心地のいい夫婦になると思います。ですから、首を縦に振る訓練をする。それも人のためではなくて、自分のためです。
いちいち反論しない。
いちいちけんかをしない。
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小林さんの言う、自分の人生を川に浮かんでいるイカダのように任せていく。そんな生き方って、楽と言えば楽ですよね。頼まれたことを淡々をこなしていく。それは、好きとか嫌いとかではなく、なにも逆らわず、ただ、お任せで生きていくというもの。
「あの人はああだの、こうだの」とけっこう言ったり、聞いたりします。これもなんだか、前向きじゃないですよね。でも、評価・評論しないというのは、極端かもしれませんが、相手の言動に対して言葉に出して評価、反論しないということ。あるいは言い争いもしないということが寛容かと思えます。自分のことを差し置いて、相手を評価、評論するのは、自己満足というか、身の程知らずということも反省しなければならないと思えてきました。
自分と相手とは、そもそも価値観が違うんだから、どちらが正しいとか、間違っているというものではないようです。だから、「相手も正しい」ということ、「相手を認める」ということが、自分の感情を制御できるように思えたりします。
会社経営をしていると、様々な出来事に遭遇します。負の出来事に心を奪われることなく、あるいは、良い出来事にも踊らされることもなく、淡々と進んでいく。そんな生き方をしたいものです。