２０１６年５月８日（日）　５９９／１０００

＜自ずから＞

 

皆さんおはようございます。

 

「子どもの心に灯をともす　日本の偉人も物語」（致知出版社）より引用　その２

著者：白駒妃登美氏

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西洋の人々が、自分の力で人生を切り拓き、夢や目標を叶えていく生き方に価値を求めるのに対して、日本人は、ご縁を大切にして、自分を支えてくれる人たちの恩に報いるために、自分のできる精一杯のことをしていくと、人生の扉が開く。言ってみれば、西洋の人々に似合うのが「自（みずか）らという生き方であり、日本人に似合うのは「自（おの）ずから」という生き方ではないか、と。

 

　「自ら」と「自ずから」、使われる漢字は同じなのに、意味が真逆というところが面白いですよね。「自ら」は「自分で」、あるいは「自分の力で」という意味です。それに対し、「自ずから」は「自然と」、つまり自分以外の力が働いていることを意味します。

 

　自分以外の大いなる力がはたらいて、天命によって運ばれる・・・・・・。そんな生き方こそ、いかにも日本人らしい生き方と言えるのではないでしょうか。

　それには、運んでくれる人が必要です。では、どんな人を運んであげたくなるかというと、それは、恩を送っている人です。恩を送っている人が、誰よりも遠くへ運ばれるのです。もしかしたら、私たちの才能や能力は、自分以外の誰かを笑顔にするために授かったものなのかもしれませんね。逆に言えば、大好きな人や大切な人を笑顔にしよう、その人たちの恩に報いようと覚悟を決めたとき、私たちの能力は磨かれ、どんどんと自分自身が輝いていくのでしょう。

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　「ありがとう、一期一会、感謝、おかげさま、出逢い、ご縁、友情、平和、絆、仲間、家族、愛、報恩」、どれも素敵な言葉で相手の存在があってこそ成り立つ言葉です。

　たった一言、「ありがとう」という言葉が心の波動のごとく運命を変えていくことを「言霊」って言いますすよね、

　日本の宗教観も独特なものがあります。海外は一神教に対して、日本はどんなものにも神様が宿っているという八百万の神であったり、行動は天（神様）が見ている、なんてことを言うのも日本独特の思想のようにも思います。

 

　感謝を忘れず、利他の思いで人間として陰日向なく正しい実践をしていれば、自ずから、人のご縁、事のご縁に恵まれ自然に人生が導かれていくということを聞きました。　なんとなく、目に見えない世界が広がってきます。目に見えない世界を信じるから、目に見える物質世界が広がっていくようにも思えます。

　

　人のご縁、事のご縁によって導かれ、直観やひらめきは自分の力ではなく、天からのメッセージと考えると、さらに見えない世界が広がってきます。しかし、自分の心に邪心があると、直観やひらめきもありません。これも目に見えない世界を信じることから生まれてきます。

　この世とあの世。肉体と魂。魂はあの世にいるとして、人間は生まれる前に人生の目的をもって生まれてくると言います。生まれてしまうと、そんなことさっぱり忘れてしまうので、「自ずから」の導きが目的地への道標（みちしるべ）ではないかと思えたりもします。