2016年4月14日(木) 575/1000
<ベストを尽くす>
皆さんおはようございます。
致知5月号(致知出版社)より
「絶えず視座を高めて道を開いてきた」 対談その2
ウシオ電機会長 牛尾治朗氏
三菱ケミカルホールディングス会長
経済同友会代表理事 小林喜光氏
******************************************************************************************
(牛尾)
私は若い頃、安岡正篤先生から「将(おく)らず、迎えず、応じて、而(しか)して蔵(おさ)めず」という言葉を教えてもらいました。
これは『荘子』の言葉なんですが、過ぎ去ったことはくよくよ悔んだりしない。先のことをあれこれ考えて取り越し苦労をしない。事が来ればそれに応じて適切な措置で最善を尽くして決断をする。
その結果を淡々と受け止め、心に留めないことが大事だというわけです。
私も経営に携わるようになって50年になりますが、試練に直面する度にこの言葉が大きな支えになりました。
******************************************************************************************
過去を悔むことはよくあることですし、まして、この先がどのようになってことを考えるとますます不安や心配になってきます。
過去を悔むのではなく、過去の失敗を糧にすること。また未来のことを考え過ぎないのではなく、会社をどのようにするのか方向づけをして戦略を練ること。それに没頭して最善を尽くして決断をすることが大切であるように思うのです。
単に過去の失敗をあっさりと水に流して、未来を考えずにいるのでは、進むべき道を示すことができず、組織を動かすことはできないと考えるのです。
経営者は起きた現象に振り回されることなく、事実と正面から向き合い適切な判断をして対応することが大切です。
今できることの最善の努力をして悔いのないようにやり切ること。そして最後は、結局のところなるようにしかならないという、天に判断を任せる開き直りの心をもって冷静になることではないだろうか。それはベストを尽くしていないと思えることではありません。
やはり常にベストを尽くすことが大事であるように思えています。