2016年4月7日(木) 568/1000
<ゆっくり走ろう、ゆっくり生きよう♪>
皆さんおはようございます。
致知出版社 致知4月号
「明日に託す思い」より抜粋 その5
日本を美しくする会相談役 鍵山秀三郎氏
志ネットワーク代表 上甲 晃氏
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(鍵山)
フランスの社会学者であるデュケムは、「現代の人類は短期間のうちに富を急速に手に入れると今度は自由が欲しくなる。そして富と自由を求めた結果、あらゆる規制が疎ましくなり、守れなくなってきた。このままいくと、社会は崩壊していく」と書いています。
私には、これがまさにいまの日本のことを言っているように思えてなりません。日本人はこの半世紀の間にかつてないほどの富と自由を手に入れました。そうなるとあらゆる規制が邪魔になって、なければいい、あっても守らないというふうになってきたわけですね。
もう一つ、個人の欲望が膨らんでいくと他人の欲望とぶつかり合うことになります。欲望が小さいうちは離れていますけれども、膨らんでいくとぶつかってしまう。それがいまの日本ですよ。かつての日本は、欲望と欲望がぶつかり合わないような慎みを持っていたから争いが少なかったのです。ぜひそういう穏やかな、少し控えめな、謙虚な世の中にしたいと私は願っています。
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東京や大阪に行くと、とにかく人が多い。歩く人が皆忙しそうである。満員電車に乗ったりすると息苦しくなってくる。都会だけではなく、日本全体がそうなっているのでしょうか。
われ先と先を急ぎ、人を押しのけていく。なんとなく自分の行動も息苦しくなってくる。 昔になくて今にあるもは多い。その一つとしてコンビニである。その発展によって便利
になり経済は豊かになった。生産、流通、販売とかかわる人が24時間という勤務の中で動いている。ここでも忙しそうである。そんな便利になってきた反面、人間らしさを失ってきているように思えてならない。
先へ先へ、もっともっと、儲け儲け。なんだか言葉だけでも忙しい、慌ただしいのです。
1970年代の日産ローレルのCM、
「ゆっくり走ろう、ゆっくり生きよう♪」のキャッチコピーを思い出しました。
ゆっくり走ると視界が広がる。ゆっくり生きれば余裕ができる。一日のうち少しの時間でも立ち止まり、心静かにする時間を持ちたいものです。それは朝だと思うんです。