2016年1月28日(木) 498/1000
<忍耐の源>
皆さんおはようございます。
発行:㈱タニサケ
鍵山秀三郎先生・講述録
「凡事徹底」より引用 その2
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会社を始めた時に本当に経済的にも追いつめられて、しばらくは「犬の餌(えさ)」を食べていた時があります。この犬の餌というのは、パン屋さんに行きますと、当時、みかん箱いっぱいの「パンの耳」が10円で犬の餌として売っていたのです。この犬の餌を、わが家には犬はおろか、猫もいないのに買ってきたのです。
まず最初にそれを仕分けるのです。サンドイッチを作った後の「パンの耳」には、サラダなんか付いていますから、いちばん腐りやすいので先に食べるのです。その次はジャムやバターが付いているものを食べる。そして、何も付いていないものは腐りにくいので、いちばん後回しにして食べました。
私はそういう生活をしていても、決してひとつも卑屈にならない。なぜならば、私は自分に課せられた使命を果たすために、こういうことに耐えるのだという考え方を、肩肘(ひじ)も何も張らずに自然になれたのです。
普通でしたら、こんな犬の餌など買っていたら卑屈になってしまいがちですが、ひとつも卑屈にならずに済みました。これは「志」のおかげだと思います。いかに志を持つことが大切かということを、つくづく思いました。
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私なら直ぐに卑屈になってしまう。「なんで、俺が・・・」という具合である。
人間の努力、忍耐の源は「志」という。それが強ければへこたれることはない。
しかし、「志」はなかなか見つかるものでもなく、そもそも、多くの人は志をもとうとしない。そんなもの生活するためには必要ないと考えてしまうからである。
そうなると年をとって死ぬまで同じ生活、スタイル、思想で過ごすことになり、人生の本当の楽しみを経験しないまま死を迎えるのではないだろうか。そんな気がしているのです。
人生の本当の楽しみという生意気なことを言っていますが、私にもよく分かりません。分からないけど楽しみたいとは思っています。
一度の人生、与えられた命を自分の「志」に使うことが出来ればこれは本望である。
私の志は、働く人が「入出運送で働けてよかった!」と思ってもらえるような会社にすることです。これは働く人が楽をして稼げる会社にすることではありません。
会社は働く場を提供し、働くことを通じて自己成長できる機会を与えることです。そして働く人が働きがいを感じてもらうことが会社の貢献の一つであると考えています。