2016年1月26日(火) 496/1000
<土台づくり>
皆さんおはようございます。
致知2016年2月号
「和気(わき)、豊年(ほうねん)、を兆す」より引用 その1
鎌倉円覚寺管長 横田南嶺氏
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太子の有名な「和を以て貴しと為す」(以和為貴)の語を俟(ま)つまでもなく、古来東洋では「和」の一字を貴んでいる。円覚寺に於いても、「和」の一字こそは、「天下第一の宝」であると代々の老師方が説かれている。
「和」とは、やわらぐ、なごむ、なごやか、のどか、うららか、ほどよいなどの意味がある。
毎年心を込めて祈りながらも、世の中には争いが絶えることがない。
「和」とは、決して同一にしてしまうことではない。
「和して動ぜず」の言葉もあるように、愛調和しても同一になることはない。日本料理に「和(あ)え物」があるように、これはそれぞれの食材の持ち味を活かしながら和しているのである。
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当社はチームワークの力のことを「和力」と呼んでいる。私の作った造語ですが、その語源は、聖徳太子の「和を以て貴しと為す」という言葉から頂いた。
会社のやるべき事は「お客様第一」を実践することに他ならない。よく会社の目的は利益を上げることという人がいるが、利益は目的ではなく目標であると考えています。
利益が目的であれば、「お金第一」であり「お客様第一」ではない。お客様は我々の利益に興味などない。当たり前のことだ。お客様の求めるものは、「いい仕事」だけである。それに専念すれば利益は後からついて来ると考えているのです。言葉では簡単であるが実践は容易くありません。
お客様第一を実践するためには組織の和力が欠かせません。この和力を高めることが難しく経営者として悪戦苦闘しています。
一人ひとりの社員には、それぞれ考え方があり価値観がある。その価値観があってこそ、いろんな考え方がブレンドされ、組織が強くなっていく。ただし、その考え方が正しい考え方であるかが重要になってくるわけです。
「相手なんかどうでもよい、俺だけよければいいんだ!」
「俺は一人が好きなんだ。助け合いの仕事なんて俺は面倒だからやらねぇよ。金にもならんしね!」
これも考え方である。しかし間違った考え方というだけです。だから、経営者は人間として本来あるべき考え方を学び伝えていかなければ、社員との意識の共有ができず「和力」が発揮できるものではないと考えるのです。
よい考え方はどの時代にも通用する普遍的なものであり人間の生きる基礎です。その土台の考え方を学び伝えて意識を合わせること。そして多くの人の知恵を生かせることができれば、強い組織になっていくものと考えています。