2015年12月29日(火) 468/1000
<自然と不自然>
皆さんおはようございます。
致知2016年1月号
「リーダーは志を持て」
マツダ会長 金井誠太氏
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車に限らず、いまの私たちを取り巻く環境は大変便利で、いまもどんどんと進化を続けていますが、人っていうのはすぐそれに慣れてしまうんですね。そして何でも当たり前だと思い込んでしまう。
けれども実際は、いま人類が地球上に生存していること、これ自体がもう既に宇宙の
奇跡です。そして、その人類の先人たちが途方もない努力を積み重ねたおかげで、
いまの私たちが享受している便利な生活があるわけですね。
つまりいまの当たり前というのは、実はとんでもない奇跡的な幸運であること、まず
そのことに気づかないといけないと思っています。
人類が生存した時間というのは、宇宙史的にはもう本当の瞬く間なんですが、この人類が生存を許された時間、せめてその時間は人類は幸福であってほしい。そのために少しでも貢献する人生を送りたいと私は思っています。
与えられた幸運をただ消費するだけではなく、自分たちの世代がさらに知恵と工夫を
積み上げ、進歩させて、次の世代にバトンタッチをする責務がある。そんな思いも含めて、しっかりと人材を育てていかなければならない。リーダーとして、この決意を新たにしているところです。
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今日も太陽が昇る。これを有難いことであると感じること、意識することが大切だと思う。北極圏や南極圏の冬至の時期に約2ケ月間、日が昇らない時期がある。
これを極夜という。極夜があけ、太陽が姿を現した時は、体験したことはないが太陽の有難さを感じることだろう。
人は自然の中で生きる。自然の猛威の中で人間は為す術もないことを我々は知っている。人間も自然の中のひとつ。そのことに気づけば、自然に生きることの大切さがわかってくる。その生き方はどんなことだろうかと考えると、不自然を考えて見ればわかる。
夜更かしをする。これは不自然だ。
酒浸りである。これも不自然だ。
手抜きをする。これも不自然だ。
人を騙す。これも不自然極まりない。
このように考えるときりがが無いが、世の中が不自然が蔓延していることが分かる。不自然な生活や生き方をして体をこわし失敗に嘆き心までも蝕んていくのである。
不自然な中で長年どっぷりと浸かってきたので不自然が当たり前となり、不自然の方が居心地良く、不自然が自然になっている自分に気づいていない。
日が昇り、日が沈む。まったく自然なことである。人間も自然の一部であるから、自然に生きることに無理がなく、自然の方が上手くいくと言ってもいい。だからこそ、今の行いが自然であるのかを見つめてみることが大切であると思うのです。