2015年10月21日(水)
<行動と存在>
皆さんおはようございます。
二宮尊徳(二宮金次郎)氏の7代目子孫 中桐万里子氏と座談会 その11 最終回
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よく教育の現場で使われる図があります。
行動は評価。評価は、○○して偉い、○○して正しい、○○して凄い。存在は感謝。その人の存在に感謝する。命に感謝していくこと。
やっている行動は間違っているけれど、あなたが生きていてくれることが有り難いよ。昔のおじいちゃん、おばあちゃんが、孫に凄く厳しく叱るけれど存在を否定しているわけじゃないのです。
「あんたのことが大好きなのよ!」、「あんたがいてくれるから、じいちゃん、ばあちゃんは希望なのよ!」だから、子供たちはその厳しさを受け入れられる。
結局、存在の上にしか行動はないから、最初にすべきことは存在であり感謝なのです。行動を先に焦点を当てると、逆三角形になって存在がぐらついてくる。それで子供はすごく傷つき、おかしな方向へいってしまうのです。
行動と存在のどっちに向かって声をかけるかなんです。
「助かったよ、ありがとう!」、「あんたってホントいいヤツやなぁ!」
何をしようとも、あなたの存在が好きですよ。
どうやって、存在の方へ声をかけるかなんですよ。問題児ほど、これがテーマになると言われています。
問題児ほど、自分への承認や存在、感謝に飢えていますし、自信がない子供が多いです。行動の方に焦点を当てるほど、逆三角形になってバランスが崩れるんです。
その子供たちの存在を温めていくと行動が後からついてくるんです。
頑張ってようが、サボってようが、どっちでもいいんだよ。私はアンタの心意気が好きなんだ。成績が出せようが、出せまいが、そうやって一生懸命思ってくれる、アンタが好きだよ。行動の方にあまり目がいかない方がよかったりします。
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自分の居場所があること、その存在を認めてもらえることは嬉しいこと。反対にそうでなければ孤独になっていく。
現代の大人の多くは、受験戦争の中で人より多くの点数をとる社会の中で生きてきた。よい高校に行き、よい大学に行き、よい就職先につくことが人生の勝者であるという歪んだ教育を受けてきた。結果、生まれたものは、お金が全てであるという考えである。相手を蹴落とすという思想が自然に植えつけられる。そこには忍耐という言葉はない。だから失敗に耐えられないのである。だから逃げる、だから欲張らない、向上心はないという具合である。
そんな大人が会社で働いている。これは並大抵の教育というか接し方がいると考えるのである。ビジネスだけに甘えたことばかりいってはいられないが、伝え続けて行かなければ私の存在価値はないと考えるのです。だから、体験を通じて大事な心を呼び起こしたいと思っているのです。
人には能力の高低はある。高いものが良く、低いものが悪いということではない。大事なことは、一人ひとりが自分の持てる力を出し切っているのか。一年前の自分より少しでも成長しているかどうかである。ライバルは自分と考えるのです。
そして、客観的の評価も必要であるが、「あんたと一緒に仕事ができて嬉しいよ!」という、存在への承認が大切なのでしょう。
目の前の実績は勿論大事、無くてはならないものです。しかし、優先順位を誤りそのことばかりの目を奪われることがあるならば、利益(金)だけの評価となり人間関係が殺伐となっていく。
中桐万里子さんとの2時間の座談会は人の関わり方、リーダーとしてのあり方を考えさせられるものでした。ご縁に感謝しています。