2015年10月19日(月) 397/1000
<お前が降りて行け!>
皆さんおはようございます。
二宮尊徳(二宮金次郎)氏の7代目子孫 中桐万里子氏と座談会 その9
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金次郎がとても尊敬する天皇がいました。
ある時、その天皇はひどい貧困と飢えで苦しんでいる村に行って、一瞬で農民の「飢えと寒さ」をなくしたといいます。
その時に天皇がしたことは、食べ物を与えたことでもなく、暖かさを与えたわけでもない。まして一円も使わなかった。
天皇自らその場で農民たちと同じ格好になった。その事によって一瞬で農民の飢えも寒さもなくなったといいます。天皇自らがここに降りて下さって、自分たちと同じ食事、同じ寒さに耐えているのである。
農民たちは、「自分たちがお腹が空いたとか、寒いとか言っている場合じゃないだろう!」、天皇にこんな事をさせるわけにはいけないと、みんなの心が燃えて動き出したという。
金次郎は言う。
「指導者の場所にその者を上げようとするな!」、「お前が降りて行け!」
トップが降りるということを「推譲(すいじょう)」という。自分がもっているものを譲ること。そのことによって、如何にたくさんの事が生まれることを知ること。この世界に上げれば上げようとするほど、みんなの中に嫉妬が生まれる。天皇なんだから、それ位のことをするのは当然じゃないか。「もっとくれ!、もっとくれ!」、「足りない、足りない!、自分たちが何年苦労してきたと思ってんだ!」という具合である。結局、そこに満ち足りることはない。
でも、指導者が自ら降りれば、そして捨てて行けば全てを得ていくことになる。
結局は、みんなで一緒に考えること、みんなで一緒にやっていくことになる。
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なんとも考えさせられる言葉である。
リーダーの行動が模範とならねば人はついてこない。
権力の頂点にいることがリーダーでなく、行動が頂点でなければならない。
「率先垂範」、「背中を見せる」とはまさにリーダーの姿であろう。
指導者が降りる。
リーダーの役割とはなんであろうか。
この答えが腑に落ちない限り、真のリーダーとして組織を動かすことはできないように思えてるのです。