2015年10月18日(日) 396/1000
<表彰制度>
皆さんおはようございます。
二宮尊徳(二宮金次郎)氏の7代目子孫 中桐万里子氏と座談会 その8
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金次郎は表彰制度で農民のモチベーションを上げようとしていた。表彰者は金次郎が選出した。これは金次郎だけが主役であり、自分の価値観を押し付けようとしていたと気づくのです。成田山新勝寺での断食修行の後は、それを止めて投票制度に変えた。
村人に「あなたが一番という人に投票してください!」と、一人づつ投票権を与えた。
すると村人たちは自分で考えるようになり、金次郎が選んだ価値のある人より、自分が主役となる価値観への創造となった。
金次郎が選出している間は人間関係は最悪で、金次郎に選ばれた人間の上げ足取りが始まるのでした。しかし、村人に投票権を与えることによって、”いいとこ探し”になったのです。
例えば、「誰も気づいていないでしょうが、あの人が村で一番最初に起きている!」とか、「あそこの掃除を毎日しているのは、あそこのばあちゃんだ!」というように、人から褒められそうにもないような小さな事を書くようになる。また小さな事を見つけるようとテンションがあがってくる。村人一人ひとりが考えて答えを出せば納得ができるようになったのです。
すると、どうしたら村のためになるんだろうか、
どういう人が頑張っているんだろうか。という事に目を向けるようになる。
それにより、お互いの絆が深まりチームワークが良くなり、モチベーションがあがった。
金次郎が主役だった間は人間関係はバラけていた。農民一人ひとりが主役になるからバラけない。金次郎は一人主役をやめて、村人と同じ土俵に降りたことで意思の疎通ができるようになった。
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表彰は自分の価値観ではなく、みんなに委ねる。みんなが賞賛する者を讃えることが、なんの歪みもなく、わだかまりもない。この仕組みは日頃目立つ人だけでなく、影日向なく頑張っている人にも光があたる。
トップの決めた表彰制度は、トップの価値観を押し付け、トップの価値観に応えてくれた人は優秀な人という一報的な見方ともいえる。
では、その他の人の感情はどうであろうか。
「ごますりやがってぇ~!」、「あいつは影であんなことをしているじゃぁねぇか」という具合である。
しかし、みんなが決めたことであれば、文句がでようがありませんし公平です。
それで、いいとこ探しが始まれば、組織は活性化してくる。
中桐万里子さんの座談会も「その11」まで続きますが、これを書いていながら、人を動かすこと、組織を動かすことの難しさを痛感している。自分の器の小ささ、不甲斐なさ、なんとも苦しくなるときがある。
なぜ、苦しくなるのだろうか。
組織の人間を自分の価値観という枠の中に押し込めようとしているのだろうか。
それとも、その枠自体が不自然で誤った枠なのだろうか。なんとも難しく、悩むのである。
金次郎の生き方に学び、人を活かし、働く人がイキイキとなり、「入出運送でよかった!」と思ってもらえることがかけがえのないもののように思えるのです。