2017年4月20日(木) 946/1000
<強い人>
皆さん、おはようございます。
小さな人生論 ポケット名言集(致知出版社) より引用 その16
著者:藤尾秀昭氏
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ある高校で夏休みに水泳大会が開かれた。種目にクラス対抗リレーがあり、各クラスから選ばれた代表が出場した。その中に小児マヒで足が不自由なA子さんの姿があった。
からかい半分で選ばれたのである。だが、A子さんはクラス代表で役を降りず、水泳大会に出場し、懸命に自分のコースを泳いだ。その泳ぎ方がぎこちないと、プールサイドの生徒たちは笑い、野次った。
その時、背広姿のままプールに飛び込んだ人がいた。校長先生である。校長先生は懸命に泳ぐA子さんのそばで、
「頑張れ」、「頑張れ」と声援を送った。
その姿にいつしか、生徒たちも粛然(しゅくぜん)となった。
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人間というのは、人を馬鹿にしたり、さげすんだり、あるいは人の悪口や批判に流されやすい。徒党を組んだりすると、知らぬ間に引きずり込まれ自分を見失ってしまう。そんな弱い心をもっている人が結構います。僕にも見覚えがあり振り返ると反省なのです。
子ども、お年寄り、障がい者という弱い人の力になって差し上げるのが強い人の役割なんだと思います。多くの大人は強い人です。大それたことでなくても、寄り添ってあげること、思ってあげることでもいいと思うんです。そんな人が大勢いれば、よい社会になっていきます。
私たちは強い人です。でも強い人という意味は、財産や地位、名誉のある人ではないと思います。本当に強い人は、弱い人を思いやれる人なんじゃないでしょうか。そんなふうに思うのです。