2015年8月6日(木) 323/365
<自分の役割>
皆さんおはようございます。
致知8月号
「いかに可能性を花開かせるか」 対談 その2
元小結、大相撲解説者 舞の海秀平氏
筑波大学名誉教授 村上和雄氏
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(舞の海)
実は、大学四年の夏に山県県の高校教師に内定していたんです。けれども大学で日に日に強くなっていく実感を得て、諦めていた大相撲への夢がまた頭をもたげてきました。でも、プロに挑戦してダメだったら損だし、やっぱり教師になったほうが安泰かなとか、あれこれ思い悩んでいたんです。
ところが卒業のニか月前に後輩が突然亡くなりましてね。それでプロ入りを決心したんです。体格に恵まれていた彼は将来を嘱望(しょくぼう)されていて、大相撲に入ることを決めていました。ところが昼寝中に心臓が止まって、そのまま亡くなったんです。
それまでは、自分もこの先当たり前に生きると思っていたんですが、人間というのはいつ死ぬか分からない。自分が本当にやりたいことに挑戦すべきだと思いに至って、自分が進むべき道は教師ではなく、やっぱり大相撲だと思い定めました。
それまで自分と真剣に向き合っていなかったことを、後輩が気づかせてくれました。
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定年後に夫婦で海外旅行にいこう、田舎に引っ越して自給自足の生活をしよう、一人ひとりに夢や希望があるでしょう。
大変失礼とは思いますが、東日本大震災や御嶽山の噴火で亡くなった方々も夢や希望があったはず、しかし、叶わぬ夢となってしまった。
明日、死ぬなんてことは考えることはない。
死ぬことは、遠い先のことであると考えてしまう。でも、あっという間にその時がくる。
自分がこの世を去る時に「人生に後悔はない」と自信をもって言えるようにしたいのであれば、日々を一生懸命に頑張ることである。
明日、死ぬと分かっていれば、昨日のような生き方はしないだろう。
明日、死ぬと分かっていれば、不平、不満、不足を言い、時間を浪費している暇はない。思い残すことのないように、その瞬間を精一杯に生き抜くだろう。
「生きる」とはそういうことなのだろうか。
毎日、一所懸命に生きることができれば、きっと、楽しくなる、笑顔になる。
そして、日々の充実感の積み上げが生きがいとなっていき、自分の使命や役割に出会えると考えるのです。