2015年7月26日(日) 312/365
<使命と役割>
皆さんおはようございます。
致知8月号
「特集 力闘向上」 より抜粋 その1
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「一人のめざめは百人に及び、百人のめざめは千人に及び、千人のめざめは社会全体に及ぶ」
社内木鶏企業の発表を聞くたびに胸に浮かぶのは、この松下幸之助氏の言葉である。一人の社長のめざめが周囲を大きく変えていく実例が、社内木鶏企業の発表に溢れている。
特に今回、大賞に選ばれたヒロセの社員、松谷晋さんの発表には心を揺さぶられた。
「人々の心の中に明徳と名づけたる無価の宝であり」(すべての人の心の中に明徳という値段のつけられない宝がある)と中江藤樹は言っているが、社内木鶏こそ、その明徳を発揮させる最高の道場になると、松谷さんの発表で教えられた。
松谷さんは三十三歳でヒロセに途中入社した。頭は金髪。気に入らないと上司だろうと食ってかかっていく。そういう社員だった。
社長が社内木鶏を始めることを告げた時も、「なにぃ、本を読んで感想文を書くぅ? 人前で発表するぅ?」と反発。「たかが汲み取り屋、ゴミ取り屋やん。何でそんなことせなあかんねん」と社長に直談判に及んだ。社長は言ったという。
「私はそれが嫌いやねん。あんたたちが自分の仕事に誇りも持てへん。世間からは、きつい、危険、汚い、レベルの低い社員って思われているのが、私は悔しくてたまらんのや。そやから、私は木鶏会を通じて本を読む力、読んで感想を書く文章力、感想を人前で発表する発言力をつけて、あんたたちが世間に馬鹿にされない、自分の仕事に誇りを持てる会社にしたいんや」
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入出運送は来月に設立60周年を迎える。人間で言えば還暦。
60年を歩み続けることができたのは、やはり「人の力」である。
企業は人で決まるというが、社長になって5年が経過し特に実感している。
人を動かすのは難しい、でも人が好きである。だから、よい人間関係づくり、人づくりの実践が大切になると思うのです。
ご縁があって8月9日設立60周年記念式典の開催前に致知出版社様から絶大なる応援を頂き、全社社内木鶏会キックオフを行う。全員が感想の発表をするのです。
ヒロセ社長がおっしゃることに賛同する。
自分の会社が嫌いだ。社長が気に入らないとすれば、これほどの不幸はない。社長の責任は重い。なぜなら、この先の人生の長い時間を仕事に費やしていくからである。
自分の家族に「うちの会社はなぁ、本当にダメなんだよなぁ」と文句や愚痴を言い続けているとすれば、子供が父親を尊敬できなくなる。
だから、社長は「いい会社」と自信をもって言えるような会社にしなければならない。それが、一生懸命に働いている人への社長の責任であると考えるのです。
どんな仕事にも価値がある。価値があるから社会から存在を認められている。その価値ある仕事に誇りという大そうなものでなくても、「この会社で働けてよかった。」と
言ってもらうことができれば本望である。それが、社長の使命と役割だと思っているのです。