2015年7月16日(木) 302/365
<仕事を通じて成長する>
皆さんおはようございます。
致知7月号
「心を尽くして全力投球する」より抜粋 その4
公益財団法人 トヨタ財団理事長
遠山敦子氏
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大学時代にラートブルフという法哲学者の本を読んでいた時に、「良いもの美しいもの全体なるものを求めて、心を尽くして生きる」ということが書かれてあって、特に「心を尽くして生きる」という言葉が大事なことではないかと思いましてね。これと決めたことについては、心を尽くして実現に向けて邁進することを心掛けてきました。
やはり人間というのは、男性女性にかかわらず、仕事を通じて成長する存在だと思います。ただ、最初から何か大きなことをやろうとしても無理ですから、日常的な努力の積み重ねが、人間を成熟させ、人間性を豊かにすることに繋がり、それがやがて周囲の方にも認めていただく上で大事な要素になるのだと私は思います。
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「良いもの美しいもの」という言葉は何となく意味はわかるけれど、「全体なるものを求めて」という意味はどういうことだろうか。
「全体なるもの」の意味を勝手な言い方をすれば、誰が見ても正しい、誰が見ても最適である。誰がみても幸せなことである。そんな解釈をした。その全体なるものに真心こめて追求していく。
その基礎になるものが家庭であると考えるのです。夫婦の心が冷め切っていては仕事が上手くいくはずもありません。なぜなら、一番身近な人間関係を築けない人が会社という組織の多くの人と良い人間関係を築くとは難しいと思うからです。だから、仕事はよい人間関係を築くための気づきの場であると考えた方が成長できる。
安心して働けるのは、家庭を守ってくれる妻のおかげ。
元気で働けるのは、子供の成長する姿のおかげ。
忍耐できるのは、家族のおかげ。
感謝できるのは、見守ってくれる両親のおかげ。
勇気をもらうのは、職場の仲間のおかげ
まだまだ数えきれないほどの感謝があります。
そんな多くの人に支えられていることへの気づきと家庭の大切さがわかるわけです。
働くことは生活の糧でもあるが、人間を大きく成長させる場と考えた方が働きがいも生まれてくる。
私たちは1日の多くの時間を仕事に費やす。だとすれば、この先の人生に於いて、多くの時間を仕事に使う。
その仕事を通じて自分を磨き、心を高め、人間的な成長の場として考え行動していくことが価値ある生き方のように考えるのです。