2015年6月24日(水) 280/365
<出直し>
皆さんおはようございます。
致知6月号
「論語」と二宮尊徳
「日本の教育の建て直しは縦て直しから」より抜粋
寺子屋石塾主 岩越豊雄氏
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よく考えると、親への「孝」や年長者への「弟」はいわば縦軸の関係です。
戦後教育の基本は民主主義、個人主義の名のもとに、縦軸を絶ち、すべてを横にすることを理想としました。
現に占領軍の日本教育使節団員で高松宮の教育係を務めたオーティス・ケリーは、「横軸のない日本」という著書で、日本は縦軸が強すぎる、横軸を強くするようにということを述べています。
縦軸を横軸にすることは、日本の弱体化の一因にもなりました。
昔から日本人は縦を絶って、横にすることなどろくでもないと考えていました。
そのことは、横のつく日本語から推察できます。横柄、横着、横暴です。
以前、県の教育事務所の所長をされていた方が、いまの日本の教育は学校崩壊をはじめ、深刻な問題を抱えている、その本は、長幼の序や、親や先生を敬するという縦の関係が崩れてしまったことにある、とおっしゃっていました。
戦後間もない頃は、まだ、戦前の教育を受け、そうした気風を持った親や先生がいたから何とかもった。
しかし、いまはそれが横様(よこざま)に崩壊してしまった。そこに日本の教育問題の根源があるように思います。
日本の教育の「建て直し」には、正に「縦に直す」ことから始めなければならないと強く思います。
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縦軸の代表は軍隊。命令により隊の生死にかかわることなので、命令が絶対でなければなりません。
極端な封建的な思想は、現代人に合っているとは思いませんが、余りにも崩れてきているように思えています。
私たちは戦後生まれ。学校教育では、人よりいい点数をとって、いい高校に入り、いい大学に、そして、いい就職先に就くことが「人生の勝者」であるという教育を受けてきた。
その先にあるものは、「お金が全て」という拝金主義な思想になり、「俺が、俺が」という利己的な考えが強くなってくる。そんな病にかかっていることさえも気づかないのです。いわば洗脳とでもいいましょうか。
これが私たち大人の状況であると思うわけです。しかし、この領域から脱するのは極めて難しい。なんせ長い間、誰しもこの思想で生きているから。
社内木鶏会は、美点凝視。相手のよい所を褒めます。批判や悪口が日常の中、相手のよい所を褒めることは、自分にとっても相手にとってもよい波動になり、笑顔になります。この笑顔が互いの関係をよくしていくわけです。
ある方に聞きました。「社内木鶏会はどう思いますか?」
「はっきり言って、意味がない。褒められても、本当はそう思っているわけないし」という返事。人を「疑う」ということは、相手を尊重できないということ。そのような人が結構いるのではないか。極めて難しい世の中である。これも戦後教育の影響なのでしょう。
生意気にも私が言える事ではないが、言葉使い、礼儀、立ち振る舞いなどが極めて欠如している。学校崩壊は時代を超え、会社の崩壊、社会の崩壊へとなっている。
大人を変えることは難しいが子供を変えることことの方が早い。
幼児教育から日本の出直しが必要な時だと考えるのです。