2015年6月17日(水) 273/365
<幸せの好循環>
皆さんおはようございます。
致知6月号
致知随想 「三方よしの精神を伝える」より抜粋
岩根順子氏
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「他国への行商をするもの総て我事のみと思わず、其(そ)の国一切の人を大切にして、私利を貪る(むさぼ)こと勿(なか)れ」
商品を売ったら利益を求めることは当然ですが、自分のことばかり考えて商いを行ってはならない。
その商品を購入した人にとっても「よい買い物をした」という気持ちになるような商いが大切で、売り手と買い手の双方が喜ぶこと、即ち「売り手よし」「買い手よし」の大切さを説いています。
また、出向いた藩では、領地内での自給自足が経済の基本であり、進出してきた近江商人の存在は好ましくありませんでした。そこで彼らは、その地域の産物を積極的に扱い、また地元の人々に求められる商品や情報をもたらすなど、地域振興に貢献をして歓迎されました。
そして商いで得た利益を、地域社会貢献事業を行い還元をする「世間よし」を行ってきました。
近江商人は共通して篤(あつ)い信仰心に支えられており、仏様の意志に反する商いは行わないという自覚をもっていました。
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もし、失業率50%で二人に一人は仕事がなく、路上で若者がたむろしている社会であれば、治安も悪く、人々の心は荒み、一寸先は闇と化す。
仕事があり生活の糧である給料を得ている私たち。
しかし、それを当然のように思っていないだろうか。
仕事をしないと給料がもらえないことは分かっているが、仕事のあることを当たり前と思ってはいる。世界を見れば、当たり前とは言えないのです。
「こんな仕事はしたくない!」
「俺の仕事よりあいつの仕事の方が楽でいい!」
「あの仕事の方が給料がいい!」
など、愚痴や不満を言っている人にとっては、仕事があるのが当たり前であり、欲求は果てしなく、いつになっても満足を得られず、欲しがる人生を歩み続けることでしょうね。
仕事を頂けるお客様に感謝をして、一所懸命に仕事をして精一杯尽くす。
尽くす幸せは相手の心に響く。
「あんたから買ってよかった!」
「あんたに任せてよかった!」
「あんたの会社でよかった!」、
こんな言葉を言われたならば、最高の幸せを感じるでしょう。
それが「働きがい」となっていくと思うわけです。
お金や給料も大事ですが、それを欲しがる前に相手のために尽くす仕事をすれば、
結果として、見事に帰ってくることを知るべきだと思うのです。
相手のために尽くすことは自分の得を積み、「幸せの好循環」を生み出す、最も自然な法則のように思えるのです。
働く人、一人ひとりがいい仕事をして、お客様から
「あんたの会社に頼んでよかった!」という言葉を頂くことができれば、
結果、「この会社で働けてよかった!」という自分の言葉に帰ってくると考えたいのです。