2015年6月16日(火) 272/365
<誠実と運>
皆さんおはようございます。
致知6月号
「長寿企業の再興に懸ける」より抜粋
金剛組社長 刀根健一氏
小西美術工藝社社社長 デービッド・アトキンソン
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取材を受けた時に日光の仕事の現場に一緒に行きましてね。
地上11メートルのところで塗り直しの作業をやっていたんですが、花の輪郭の部分で
僅かに不適切な部分があったので、やり直してもらいました。
側にいた記者の方は、そんな誰も見えないようなところをやり直しても意味がない。と驚いているので言ったんです。
「私たちの仕事の基準は神様です。神様のためにやっている以上は、人間の目に見える、見えないというのは関係ないのです」と。
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50才も超えて社長をやっていると、つくづく神様という存在を意識するようになってくる。
神様は肉体をもっていないので、その存在というものは人間には見えない。
見えないものだけが真実だとすれば、なぜ、仏滅に結婚式を避けたりするなど縁起を担いだりするのでしょうか。
そればかりでなく、初詣でお願い事を散々としています。
「あの人、あんな事をするから、あんな目にあっちゃうんだよね」って言いますよね。
私たちは、目に見えない世界のことを意外と意識しています。
見えないものを信じない方が自然ではないように思うのです。
人が見ているから手を抜かず真面目にやるのではなく、人が見ていなくても誠実に真面目にやるからこそ、その人に運がついてくると思うのです。
仕事があるから仕事をする。一見当たり前のように思えるけど、その前につけたい言葉がある
のです。会社の仕事を買ってくれるお客様がいるから仕事がある。
それは、一人ひとりの働く人も同じです。自分の仕事を認めてくれるから仕事を任せる。だから、一生懸命に仕事をしてお客様のご期待に応える仕事をすることは、至極当たり前のことであると思うのです。
「こんな事やったって、何の得にもならない」という判断基準ではなく、「お役に立てる」というものでありたいのです。
報酬が欲しいから仕事をするのではなく、いい仕事の結果、報酬を頂いているのだと考えた方が、仕事の質が向上し報酬が増えるという結果を生み出します。
少なくとも、お客様は仕事をくださっているから、その会社に期待があるわけです。働く人もお客様や会社から、期待をされているわけです。
私たちのやることは、その期待に精一杯尽くすことが目に見えない力を引き寄せること、つまり運がよくなることだと考えるのです。
運がいい人は、運がよくなる行動をしています。