2015年2月2日(月) 138/365
<ダメな部下ができるわけ>
皆さんおはようございます。
疋田文明氏の講演を聞いた。その7
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日本の多くの企業は人材育成以前の問題を抱えている。
働いている人のモチベーションが極めて低い。
サラリーマンへのアンケート調査。
「あなたは大変意欲的に仕事をしていますか?」という質問に対し、日本のサラリーマン2%、世界でダントツの最下位。日本のサラリーマンはやる気のなさで世界1位。
1992年、アメリカ合衆国のシカゴ大学の経済学者ベッカー教授は、人間には無限の可能性があるという。その人間のやる気を阻害するということが会社の一番の損失であるという。
アンケートではやる気のあるものが2%しかいないわけだから、一番の損失を抱えながら仕事をしていることになる。この問題を解決しないで、人材育成はできるはずがない。
では、なぜモチベーションが低いのか。
同じアンケート調査。
「あなたの上司に問題があると思いますか?」
日本のサラリーマン40%、世界でダントツの1位。
やる気を阻害しているのは、上司存在となる。
上司の何気ない一言、行動で、今までやる気がある人間がやる気を無くしていく。
会社に入社した時はやる気があったはず、そのやる気をなくさせたのは上司なのである。
これは人事に問題がある。いい会社は人事がいい。
仕事で実績を残した人を抜擢しているケースが多い。
個人プレーヤーで実績を残すスキルと、部下を育てながらチームを率いて実績を残すスキルは違う。
これを教えないままに仕事ができるからといって抜擢するから、仕事のできる人間ほど部下を潰します。
部下に「お前こんなことも出来んのか?」といって自分で仕事をやってしまう。
仕事というのは、任せることで覚えていく。仕事のできる上司ほど任せない。だから人が育たない。
任せられない部下は、モチベーションが下がっていくのです。
このことを一番理解していたのが松下幸之助氏である。
松下氏は、仕事で実績を残した者に地位を与えてはならないという。
仕事で実績を残した者には、ボーナスをはずんでやれ!
地位を与えるには、その地位に相応しい見識が無ければだめだ。
見識とは指導力、判断力などである。これは教育でなんとかなります。
これを教えないままに仕事ができるからといって昇進させるから問題がおきるのです。
トップが変われば会社が変わる。しかし、最近はそれだけではだめなように思えてきた。お客様に近い、現場に近い中堅リーダーが変わらないと会社はよくならない。
トップが変わり、中堅リーダーが変われば、本当に会社がよくなります。
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人を動かす、組織を動かすには、リーダーの人間力がいる。
人間力とは、人の気持ちが分かるということだろう。
確かに甘ちゃんの部下はいるかもしれないが、ダメな部下を作ったのは、上司であることを上司が認識しないと次々にダメな部下がつくられ、部下が会社を辞めていくことになるだろう。会社にとっては、これほどの損失はない。
「部下は上司の鏡」。言葉は理解できるが、いざ自分事になると自分勝手な言い分が表面にでてくる。なんとも情けない自分がここにいるのだ。
部下を教育する前に自分が勉強すること、そして中堅リーダーの教育が大きな課題である。