2017年3月19日(日) 914/1000
<日常生活の中で自分をつくる>
皆さん、おはようございます。
「生き方のセオリー」(致知出版社)より引用 その6
著者:藤尾秀昭氏
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2016年の『致知』一月号に、世界的テニスプレーヤーとして活躍した、杉山愛さんのお母さんの杉山芙紗子(ふさこ)さんの話が出ています。
その中で芙紗子さんは、
「実力を発揮できるかどうかは、普段の生活にかかっている」という話をしています。そして、「玄関の靴を揃える」とか、「自分は毎日、本を15分読む」というふうに、どんな小さなことでも「毎日、これをやるんだと目標を自分で決めて、コツコツ積み重ねていくと、その子に自信が生まれるということもあります。小さなことの積み重ねは、やがて、目に見えない自信につながっていくのです」と話されています。
これは本当にその通りだと思います。
そういえば、映画評論家の淀川長治(ながはる)さんのことを何かで読んだことがあります。淀川さんは毎朝、必ずしていることが一つある。それは、毎朝、目が醒めると、こう言うそうです。
「今日は○月○日(とその日の日付を言ってから)」
きょうという日は一度しかない。
きょうも一所懸命に生きよう。
だからニコニコしていこう」
淀川さんのあの笑顔は何十年にわたる自分との約束を守った結果、生まれてきたのでしょう。
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自分が決めた「自分との約束」ほど甘くなるものはないです。だれも見ていることもなく、誰からも干渉されることはないからです。つまり、自分との約束は自分の意志の強さというものが試されているわけです。
毎日、靴を揃える。これも小さな実践だけれども、何年もやり続けることができれば、自分に甘く、中途半端で三日坊主であった自分が、ほんの少しかも知れないけれども自信になっていく。でも、小さな実践ほど手を抜きたくなります。だから自分という人間を強くしていくことができないわけです。
人間の強さというのは、やはり自分をどう鍛えていくかということにかかっているんじゃないだろうか。それを杉山芙紗子さんは、小さな実践の積み重ねだと言っています。
淀川さんは、きっと、自分という人間がよくわかっていたんじゃないでしょうか。人は、一度や二度は、自分の残された人生というものを考える時があるものです。だから淀川さんは、まずは一日を大切にしようと、一日の始まりに誓いをたて自分を変えていこうと思ったのだと思います。
自分を鍛え、強い自分をつくっていくのは難しいものですが、よい人生にしていくためには、自分を変えていくしかないように思えるんです。自分を変えるためには、日常生活の中でやれることがたくさんあると思えてきました。
目が醒めたら、「さっと」起きる。この実践が課題なんです。