2019年2月17日(日) 1017回目
<社長の姿勢>
致知2018年10月号(致知出版社) 徳川家康より抜粋
童門冬二氏
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「それがしが、また今川家に預かりの身になっていた頃、近くの寺の高僧が、こんなことを申しました。水によく舟を浮べ、またよく覆すと。何でも、古代中国の荀子(じゅんし)という学者が申した言葉だそうでございます。それがしに、この言葉を教えた高僧は、水を民、舟を治者と言っておりました」
「なるほど、水は民で舟は治者か」
その光景を頭の中に思い浮かべたのだろう、秀吉は、はじめて落ち着いた表情になり微笑んだ。その笑顔を見て家康もほっとした。険しくなりはじめた空気も、これによって救われたと感じたからだ。ところが秀吉は、
「徳川殿は、その言葉を民だけにお持ちか」と訊いてきた。家康は、はっとした。実を云えば、この荀子の言葉を家康は民よりもむしろ部下に対して応用していたからだ。
荀子が云ったのは、「水である民は、舟がよい政治を行っておれば別に波を立てず静かに舟を浮べてくれる。しかし一旦悪政を行えば、水は怒って波を立て、時に舟を覆してしまう」
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社長は、社長という役割を担い、組織の最高責任者として、人を動かし、組織を動かし、成果を上げることが責任です。
組織は人が動いているわけですから、社長の姿勢が問われるような行動をしていては、人は動いてくれません。
だからこそ、社長は自らを律し、お天道様に恥じない行動をしていくこと、そして働く人の職場環境を整え、働く喜びを感じて頂けるような経営をしていくことが、とても大切なことであると考えています。社長の姿勢で会社が決まるということでしょう。